「インスタ映え」という言葉も概念もすっかり定着したが、スマホが誕生するずっと以前から“周囲に情報拡散したくなる店”として人気を集めていた、いわば元祖インスタ映えレストランが「ザ・ロックアップ」。監獄をイメージした店内には鉄格子に囲まれた個室席が並び、本格ホラー空間が広がる。

モンスターが店内を徘徊し…

約1時間に1度、繰り広げられるアトラクションがまた秀逸。モンスターが店内を徘徊し、客席に容赦なく襲い掛かってくるのだが、そんじょそこらのテーマパークのお化け屋敷などはるかに超越する恐怖レベルで、大の大人でも本気で悲鳴を上げてしまう。

トラウマレベルのこの恐ろし過ぎる体験を、もちろんお客はSNSにアップするというわけだ。

アトラクションタイムで客席を徘徊するモンスターはハンパなく怖い!

メニューもホラーをコンセプトにし、おどろおどろしくもユニークな料理を揃えている。人気メニューは、「悪魔の左手」。手羽先を甘辛く焼いて不気味な手の形に模し、周辺にはポンパイユ(細切りポテトを揚げた料理)を散らした、スマホでパシャ率が高い一品だ。

煙が噴出する岩石のように盛り付けた「ボルケーノローストビーフ」

また、ユニークなコラボ企画や期間限定メニューも定期的に展開している。最近の例では、6月9日の「ロックの日」にちなみ、煙が噴出する岩石のように盛り付けた「ボルケーノローストビーフ」を先着69名にプレゼントするキャンペーンを行い、大きな話題を呼んだ。

「ボルケーノローストビーフ」

全国に5店舗を展開する同店の創業は2000年だが、「オープンして数年は、『食べ物で遊ぶような面白料理はいかがなものか』という批判的な声も多かった」(同店広報)とか。

しかし、スマホで料理を撮影する習慣が一般的になり、「遊び心ある楽しい料理」が受け入れられるようになったことで、批判的な声はすっかり聞かれなくなったという。店自体も、これまではとがった若い世代の客層が中心だったが、現在では驚くほど幅広い層から再注目されている。

「呪いの煮玉子」500円(税抜き) 1個が激辛ワサビ入り。こうしたロシアンルーレット式料理を外食店でメニュー採用したのは、「恐らくうちが始まりではないでしょうか」と同店広報

「最近の食材はよくできていて、使いやすい加工品が多い。以前と比べて、アイデアさえあれば、味もおいしく、ビジュアル面でも凝った料理が作りやすくなった。今後も、より遊び心のあるメニューを追求していきたい」と、同店広報は話す。

●店舗情報
「ザ・ロックアップTOKYO」
所在地=東京都新宿区歌舞伎町1-16-3 新宿スクエアビル6・7階/営業時間=17時~24時

◇外食レストラン新聞の2018年7月2日号の記事を転載しました。