石川県金沢市のお隣にある河北郡在住の北陸家庭料理研究家・大象みかです。北陸では「おちらし粉」という粉がスーパーで売られています。おちらし粉は、通常は砂糖を加え、水で溶いて食べます。冬は温かいお湯で溶くこともあります。今回は、そんなおちらし粉の夏らしい食べ方と、アレンジ料理として「おちらし粉のクッキー」を紹介します。

おちらし粉の原材料は大麦

「おちらし粉って、何?」とお思いの方も多いでしょう。北陸では「おちらし粉」と呼びますが、地域によっては「はったい粉」や「麦こがし」とも呼ぶようです。原材料は大麦で、おちらし粉は大麦を炒って粉にしたものです。

一般的におちらし粉はスーパーで売られています。砂糖を入れ甘みを加えて、水で溶いて食べたり、寒い時期は温かいお湯で溶いて食べたりします。

おちらし粉は100gで391kcal あり、ビタミン、ミネラルも豊富に含まれています。そのため子供の離乳食に使われたりもします。食物繊維も多く、腹持ちが良いのも特徴です。

今回は、昔から素朴なおやつとして食べられてきたおちらし粉の夏らしい食べ方をご紹介します。また、おちらし粉の風味を活かした「おちらし粉クッキー」を作ってみます。

参考サイト:
栄養成分表(五訂増補日本食品栄養標準成分表)「穀類/おおむぎ/麦こがし」

夏は冷水で溶くとひんやりしておいしい!

今回のおちらし粉は、富山県高岡市の会社が販売しているものを使用しました。見た感じは、きな粉に似たサラサラとした粉です。

おちらし粉と同量か、やや少なめの砂糖を入れて冷水で溶いてみました。砂糖はお好みの量で加減してくださいね。スプーンで混ぜて口に運ぶと、ひんやりとした口当たりが夏にピッタリなおやつになりました。

大麦独特の香ばしい香りが広がります!素朴で懐かしい味のするおやつで、ちょっとお腹が空いた時に食べると良さそうです。

おちらし粉クッキーを作ってみよう!

おちらし粉の香ばしさはお菓子にしても合いそうな感じがしたので、クッキーにすることを思いつきました。甘さ控えめのクッキーですよ。

【材料】
・マーガリン 100g(※今回はバターとマーガリンが50%ずつのものを使用)
・砂糖 30g
・卵 1個
・薄力粉 100g
・おちらし粉 50g

【作り方】
1.マーガリンをヘラでふんわりするまで練ります。マーガリンが冷蔵庫から出したばかりで硬い場合は電子レンジで温めて軟らかくしてください。

2.砂糖を加えてさらに練り、混ざったら、溶いておいた卵を少しずつ加えます。

3.薄力粉とおちらし粉を振るい入れ、切るように混ぜます。生地が出来上がりました。

4.出来た生地をラップに挟んでめん棒で伸ばします。厚さは5mm~1cmの間でお好みの厚さにしてください。生地が軟らかい場合は、1時間ほど冷蔵庫で寝かせると型抜きしやすいです。

5.好きな形に型抜きします。なんだか楽しくなってきました!笑

6.余った生地はまとめて、また麺棒で伸ばして型抜きします。

7. 180度Cに余熱したオーブンで15分くらい焼きます。厚みがあるクッキーは加減を見ながら、もう3~5分ほど焼いた方がカリッとした感じに仕上がります。

8.焼き上がったら、キッチンペーパーに乗せておくと、余分な油分が取れますよ。

おちらし粉クッキーは紅茶と合います!

焼き上がったおちらし粉クッキーは香ばしい香りがします!甘さ控えめなので、ダイエット中だけどちょっと甘いものが食べたい時にもピッタリかもしれません。

1cmくらいの厚さのクッキーは中が軟らかくしっとりタイプのクッキーに仕上がりました。5mmくらいの厚さのものは、カリッとした食感のクッキーになりました。お好みで厚さを変えても良さそうですね。

おちらし粉クッキーは、温かい紅茶と一緒に食べるのが私のオススメです。あっさりとしたクッキーなのでパクパク食べられちゃいますね!

ホワイトチョコで一工夫してもおいしい!

「ちょっと甘みが足りない」という場合は、ホワイトチョコレートのチョコペンでクッキーに絵を描いてみましょう! 普通のチョコレートでもいいですが、ホワイトチョコの方が色が映えそうです。

子供にもできるので、お子さんと一緒にお絵かきしても楽しそうです! チョコの甘みがおちらし粉クッキーに合っていて、程よい甘みを加えてくれます。

皆さんの地域でもおちらし粉は、「はったい粉」や「麦こがし」という名前で売られているでしょう。他にも牛乳やヨーグルトに混ぜて食べることもできます。素朴な味なので、ぜひ、味わってみてください。