桃屋は8月27日から珍しい醤油不使用の白だしを発売する。醤油の消臭作用、色づけをなくした。強みの天然・自社抽出だしを使い、食材の味わいを最大限に引き出す。コンセプトに掲げる料亭の味を気軽に、家庭の味にしてもらう。

新たな白だしは同社らしい、商品力をそのまま表した「桃屋の醤油を使わずに厚削り一番だしと焼きあごだしで仕上げた白だし」(瓶400ml、オープン価格)。市場拡大の続く白だしは、発祥の愛知特産の白醤油のほか、淡口醤油が使われるのが普通。醤油不使用は地方メーカー、アレルギー対応品に限られ、脱醤油を訴えるナショナルブランド(NB)商品はこれまでなかった。

醤油の機能性のうち、魚や肉の生臭さを抑えるマスキング(覆い隠す)効果は一般にもよく知られ、素材本来の味わいを損なうという指摘も一部ある。食材の色あいも生かせば料理上手に見えやすく、色や香りを抑えた淡口・白醤油の支持、昨今の白だし人気を後押しする。「桃屋の白だし」は食材本意の特性を突き詰め、汎用(はんよう)性を高めた。

桃屋の既存調味料はロングセラーの「大徳利」で知られ、自社工場で抽出する天然だしが強み。ソウダガツオとカツオ厚削りの一番だし、鯖節・焼きあごだし、ちりめん・昆布エキスなど8種のだし素材を用い、赤穂の塩で仕上げた。

特定のだしの味と香りを突出させず、バランスの良い、自然なうまみを引き出した。口にすると先味から余韻まで、上品で厚みのあるだしの風味が楽しめる。販促の具体策は未定だが、導入時に「C CHANNEL」で動画配信を予定する。

◇日本食糧新聞2018年7月4日号の記事を転載しました。