初めまして。フランス北西部ノルマンディー地方在住のトラベルコーディネーターをしております小川裕子と申します。ノルマンディー地方は海に浮かぶ神秘の世界遺産「モン・サン・ミッシェル」で有名ですが、フランスでも有数の酪農地帯、またりんごの産地としても知られております。旅に欠かせない現地グルメや名産品にまつわる話題を皆さまにお届けできればと思っております。
第一回はノルマンディー地方の名産品「りんご」を使って生まれた画期的なスパにて「りんごのエッセンシャルオイルマッサージ」を体験してきましたので、皆さまにその魅力をお伝えいたします。

中世から効能が伝わる温泉保養地「バニョル・ド・ロルヌ」

パリから230km、車で約3時間ほど、ノルマンディー地方のオルヌ県にフランス北西部唯一の温泉保養地があります。周りを7000ha.の広大な森に囲まれた中にひっそりと佇む町「バニョル・ド・ロルヌ-Bagnoles de l’Orne」。土地の名前「バニョル」が「浴場」を意味するラテン語に由来し、日本語で訳すならば「オルヌ県の浴場」とでも言えるこの地は、中世の頃から湧き水が人々を癒していたことが多くの伝説により伝えられております。

19世紀末は近隣ヨーロッパ王室の方々をはじめ、フランスの政界で活躍されたシラク大統領も足を運ばれていらっしゃいます。またフランスは一定の条件を満たす場合、温泉療法が医療行為として認められており保険が適用されます。この地の天然水はpH4.3の弱酸性で、婦人科系疾患、静脈系疾患、リウマチに効くと言われ、年間約12,000人ほどの湯治客がやってきます。

現在の温泉保養施設の様子
19世紀末の温泉保養施設の様子

リンゴを使った画期的なスパが2012年にオープン

バニョル・ド・ロルヌへ訪れる方の目的は今まではこの温泉療法に治療へいらっしゃる湯治客の方々が多かったのですが、患者様だけでなくレジャーとして若者やカップル、旅行客がリラクゼーションに気軽に楽しめるスパ施設「B’o spa thermal」が隣接して2012年にオープンいたしました。

2000平米の広さに17室のマッサージルーム、40室の温水浴槽ジェットバスルーム、自由に使える休憩室、天然水を使ったプールやサウナもあり、ゆっくりと楽しめる施設です。バスローブ、サンダル、タオルはすべて揃っているので水着一枚を持参するだけでOK, 旅行中でも気軽に体験が可能です。

私もりんごのオイルマッサージを体験してきました。
こちらのコスメサンプルが置いてある場所にて 申し込みコースをエステシャンの方へ伝えます。時間になると担当の方が迎えに来てくださり、マッサージルームへ移動。マッサージルームはノルマンディーの大自然と調和するような柔らかな色合いの内装でまるで森林の中にいるような心地よい空間でした。

マッサージをお願いしたい箇所も選べ、私は肩から頭部にかけて体験してきたのですが、エッセンシャルオイルはさらっとした使用感で全くべたつかず、しっとりとした肌に仕上がりました。

リンゴのコスメ、温泉水入りのコスメが自由にお試しいただけるコーナー

りんごのアロマ風呂やりんごのゴマージュも

このスパ施設では「りんごのエッセンシャルオイルマッサージ」の他にも、天然水の効果を同時に味わえる「りんごのアロマ風呂」や蒸気浴室内で楽しめる「りんごのゴマージュ」など、りんごを使用したコースが多くの方の人気を呼んでおります。

スパマネージャーさんのお話では、人気No1はやはり「りんごのエッセンシャルオイルマッサージ」とのこと、2名様同時にマッサージ可能なお部屋もあるので女性だけでなくご夫婦、カップルでのご利用も多いとのことです。

りんごの甘い香りに包まれながらのマッサージは日常の疲れやストレスから心と体を解放してくれます。りんごポリフェノールは美白効果やダイエット効果などが認められており、「1日1個のりんごで医者いらず」と言われる通り、健康に良い果物です。

ノルマンディーにお越しの際は是非お試し下さいませ。

【スパ概要】
b’o spa thermal
住所 Rue du professeur louvel 61140 Bagnoles de l’Orne
バニョル・ド・ロルヌ(Bagnoles de l’Orne) までは電車とバスでのアクセスも可能です。パリのモンパルナス駅(Paris Montparnasse Ⅲ/Vaugirard) から出発している電車に乗り、ブリユーズ駅(Briouze)へ。そこから直結しているバスで30分です。