11月に創業100周年を迎える神戸屋は「復刻版サンドウヰッチ第1弾」(写真)をフレッシュベーカリー神戸屋で1日から発売している。同品は1937年に、世界一周飛行を終えた純国産飛行機「神風号」の帰国歓迎式に集まった外国人らに振る舞ったサンドイッチを再現したもの。

まだ日常的にパンを食べていなかった1936年に、パン食だけのカフェベーカリー「神戸屋パン 今池サービス」を開店。ホットドッグ、サンドイッチというメニューは、全く理解されず、「パン料理」という説明でやっと分かってもらえたそう。

そんな1937年、純国産機「神風号」の世界一周の帰国歓迎式で、1万人分のサンドイッチを用意した、という記録がある。

「神戸屋パン 今池サービス」で評判を得た同社に白羽の矢がたったが、サンドイッチ1万個は、冷蔵庫も現在のような高性能のスライサーもない当時には、困難を極める発注であり、「損得抜きで注文を受けた」という記録が残っているという。

「冷蔵庫もない時代、どんなサンドイッチをつくったか?満足なスライサーも、プラスチックのケースも、何もない時代に、どうやってサンドイッチをつくったか?それをどう包んだか?どうやって運んだか?当時の記録と想像から、『サンドウヰッチ神風号』1万個の再現をした。常温のため、本物はもうちょっと塩の効いたハムを使い、冷蔵庫がないので、野菜は思い切ってシンプルにピクルスだけにした」(同社)とし、試行錯誤の末現代によみがえった。同商品は530円(税抜き)。

◇日本食糧新聞の2018年5月14日号の記事を転載しました。