魚卵とウニを組み合わせた“痛風丼”を出す店の中でも、具材のボリューム感と先着順のびっくり価格で話題なのが、大阪・豊中市の遊食遊膳「笹庵」。昨年の販売開始以来、毎日行列ができるほどに人気が爆発し、店の認知度アップにも貢献している。

行列を呼ぶびっくり価格

最近の丼メニューでは、“こぼれイクラ丼”やウニと肉の“うにく丼”など、珍味をぜいたくに取り入れた商品がブームになっている。ウニとイクラなどの“痛風丼”も登場しているが、「他にはないインパクトあるものを」と考案したのが、同店の「超痛風丼」である。

板ウニごとのせた迫力あるスタイル。ランチは味噌汁付き

丼にのせるのは、イクラ約100gと板ウニ1枚(50~60g)、大分のブランド卵「蘭王」の黄身。それだけでも豪華だが、その上で削ってかけてくれるのがカラスミ。客がストップを出すまでOKという、太っ腹なメニューだ。

通常は2484円だが、ランチとディナーの先着10食は1079円と破格で提供。そのニュースは反響を呼び、開店1時間ほど前から行列ができるようになったとか。

同商品は、もともとは飲んだ後の締めとして開発したもの。ランチでの提供にあたり、利用客の声を聞きながら、ご飯量や盛り付けなどの改善を行ってきたという。先着順が終了すれば通常価格になるが、高くても食べたいと注文する人が多く、人気は定着している。

「通常価格でも“もうけなし”なので、先着価格はまったくの赤字。でも、まずネーミングと内容で驚いてもらい、店への興味につなげることを第一に提供しています」と津留直大マネージャー。同店のある豊中市は、グルメ的にはローカル立地。より多くの人に知ってもらい、利用を広げるのが狙いだ。

大きないけすと鮮魚料理が自慢

同店には大きないけすがあり、鮮魚料理や大阪懐石料理が自慢の店。泳ぎイカの姿造りは、ファンが多い名物料理となっている。また、年間を通じて多彩な鍋料理を提供しており、活きのトラフグをさばく「てっちり」(1人前3434円)は、夏場も需要が落ちない人気メニューである。

人気メニューの「てっちり」は、さばきたてのフグ身がピクピク動く、新鮮さを実感できる一品。写真は2人前

客席は、半個室や個室で、130人収容の宴会場も完備。気軽な居酒屋使いから慶事や法事の会食、宴会まで、幅広く利用できる店として重宝されている。いけすでは、すくった魚を半額で提供するサービスも実施中で、エンタメ性を求めて来店するファミリーも多い。

店のシンボルは、魚すくいもできる大きないけす

「世の中のニーズに対応しながら、親から子、孫と代々利用される店に」と津留さん。地域を大切にしつつ、より愛される店づくりを目指したいと話す。

【店舗情報】
遊食遊膳「笹庵」
経営=ナリッシュ・カンパニー
店舗所在地=大阪府豊中市服部南町1-3-9
開業=2000年
席数=約200席
営業時間=11時30分~15時、17時~23時。無休
平均客単価=昼1000円、夜6000円
1日平均集客数=昼100~150人、夜40人(宴会利用を除く)

◇外食レストラン新聞の2018年5月7日号の記事を転載しました。