「今さら、ギョウザ!?」との感もあるが、ギョウザがブームだ。ギョウザバル、ギョウザバーなど呼び名を変えたり、女子ウケを狙って店内をカフェ風に演出しても、食べ慣れ過ぎたギョウザゆえに、メニュー自体のオリジナリティーは乏しい。それを特別な食材を使うことなく、ありそうでなかった“目ウロコ”の逸品を実現したのが、「神田餃子居酒屋WARASHIBE GYOZA」の「元祖 鉄板餃子フォンデュ」だ。

チーズタッカルビからひらめく

「WARASHIBE GYOZA」は、ギョウザをメーンとした居酒屋としてスタートしたが、神田界隈に勤務するサラリーマンが会社帰りに立ち寄るだけではなく、「お客さんがこれを目当てにして、わざわざ来るようなメニューが欲しかった」と語るのは、同店を経営する「OFF THE WALL」の荒井悠吏専務取締役。

「ギョウザ×チーズ」はすぐにひらめいたが、問題は盛り付け方と食べ方。チーズフォンデュ店をネットや実店舗でいろいろチェックしたが、「フォンデュ鍋でクツクツ熱くなっているチーズにギョウザを付ける食べ方だと、チーズの迫力がイマイチでそそられない」と荒井氏。そんな時に、「チーズタッカルビ」の人気を耳にして、「これだ!」と再びひらめいた。

元祖 鉄板餃子フォンデュ 2,040円(2人前・税抜き)

鉄板にギョウザとチーズを盛り付けることは決まったが、完成させるまでには、さらに細部にわたって配慮した。

ギョウザは提供用の鉄板で焼くと時間がかかるので、厨房で焼いたものを盛り付ける。ギョウザが焦げ付かないように千切りキャベツを敷く。チーズは色味の違うものを2種類使用して、彩りを良くする。溶けたチーズが流れないように刻みネギでせき止める。ソースを豆板醤ベースにして、赤、黄色、オレンジ、緑を配色する……など。

フォロワーの人数分を値引き

こうして完成した「元祖 鉄板餃子フォンデュ」は、来店者のほぼ全員が注文するという看板メニューとなった。

それには、さらに仕掛けがある。メニューの写真をインスタに『#餃子』でアップすると、フォロワー数の分だけ値引きするというサービスだ。「例えば、フォロワー数が500人なら500円値引きするというサービスがウケて、拡散力がありましたね」。

さらに来店客がこのメニューを見た目から「チーズタッカル餃子」と呼んで、SNSで発信したことで、話題性と集客力が急加速。メニューの一つのトレンドを創出した好例といえるだろう。

【店舗情報】
「神田餃子居酒屋WARASHIBE GYOZA」
経営=OFF THE WALL
店舗所在地=東京都千代田区神田須田町1-14 A-1ビル1階
開業=2016年9月
坪数・席数=15坪・33席
営業時間=月~木曜17時~23時30分、金曜17時~24時、土日祝日17時~23時。不定休
平均客単価=約2500円
1日平均集客数=約70人

◇外食レストラン新聞の2018年4月2日号の記事を転載しました。