日本鉄道構内営業中央会(中央会)会員の崎陽軒など4社は10日、横浜市で「駅弁の日」記念イベントを開催しました。同市の福祉保健活動拠点「加賀原地域ケアプラザ」を会場に、施設を利用する高齢者約70人に駅弁約120食を提供。参加者は旅行の思い出など、駅弁を通じてさまざまな語らいに華を咲かせていました。

崎陽軒など4社が120食を提供

今回は横浜市の崎陽軒から「シウマイ弁当」と「おべんとう春」、鎌倉市の大船軒から「鯵の押寿し」、小田原市の東華軒から「鯛めし」、浦安市のリエイ万葉軒千葉工場から「菜の花弁当」の5種類の駅弁が提供されました。

卯月美昭崎陽軒総務部社長室業務課課長は、「駅弁を食べることで、かつての旅の思い出をイメージしてもらい、おいしさと楽しさを提供できると嬉しい」とイベントの効果に期待を寄せていました。

同イベントは、1998年から毎年実施していて、旅行の醍醐味(だいごみ)の一つである駅弁をより身近なものとして感じてもらうことが目的です。

施設関係者によると、外出を敬遠して個食になりがちな高齢者も、駅弁のイベントには積極的に参加する傾向があるようです。外出の動機を提供するだけでなく、他の施設利用者と会話をしたり、過去の旅行を思い出したりすることで、健脳の効果も期待できるとされています。

駅弁の日の由来は

中央会は、1993年に4月10日を「駅弁の日」に制定しました。駅弁発祥の日は文献や識者によって諸説あるようですが、駅弁の需要を引き出す時季として、行楽シーズンの特定日に設定したそうです。

記念日の由来は、「駅弁当」の「弁」の字がローマ数字の「4」と漢数字の「十」の合成に近いことと、「当(とう)」の響きをもじったとのこと。

中央会各支部では、「駅弁の日」にちなんだイベントを開催していて、各事業者が障がい者施設などを訪問するなど、駅弁を通じた地域活性化への取組みを進めているそうです。