新富良野プリンスホテル(北海道富良野市)は5月28日、敷地内に作家・倉本聰氏監修のイタリアンレストラン「ル・ゴロワ フラノ」をオープンする。同店は、倉本氏が長年にわたり思い描いてきた「理想のレストラン」を実現するもの。「食材を育む人」「それを調理する人」「提供する人」「味わう人」が直接つながり、ただ食べるだけではない魅力が感じられる場を目指している。

料理を手掛けるのは、東京・表参道のフレンチレストラン「ル・ゴロワ」のシェフ・大塚健一氏。倉本氏の思いに共鳴し、同氏の「富良野にイタリアンを」との提案に促されて南イタリアで研究を重ねたのちに富良野へ移住した大塚シェフが「(食材の)生産者への敬意を重んじ、素材を100%生かす本物の料理」を考案する。

同店自慢のメニューは、富良野の森で集める木の薪火焼き料理。そのほか、「自然と調和し、森との共存」を唱える倉本氏の考えに基づき、北海道の食材を用いた新しいイタリアン“ヌーベル・イタリアン・フラノ”を提供する。

オープンに先立ち、14日にザ・プリンス パークタワー東京で行われた新レストラン概要発表会では、後藤高志西武ホールディングス社長が「富良野は倉本聰氏の作品の舞台として共に歩んできた。この地にとって価値あるプロジェクトと確信している」とあいさつした。

赤坂茂好プリンスホテル社長も登壇し、「北海道は外国人観光客が着実に増えている。北海道の六つのプリンスホテルの宿泊客数も、この5年で17%伸びている。本企画により、富良野は理想のリゾート地にさらに近づく」と、述べた。

◇日本食糧新聞の2018年3月28日号の記事を転載しました。