東野圭吾のミステリー小説を彩った逸品「父さんのハヤシライス」
こんにちは。初めまして。食ライターの吉田です。
本業はテレビ番組を作るプロデューサー。「食」をテーマにした情報番組や料理研究家さんのバラエティなど過去に制作してきました。かつての経験を経て、今、自分が伝えられる”食べる喜び”を伝えられればと思いライターに立候補しました。今回のテーマは作品に存在するとっておきの料理。料理がどんな風に物語の世界を広げているか、を紹介します。
「流星の絆」の中心に登場するハヤシライスのポイントはソースの謎?!
人気推理作家の東野圭吾の作品「流星の絆」はおよそ10年前の2006年に連載が、2008年3月に書籍化され、10月からTBS系列で連続ドラマとなった作品。
3人兄弟の父は横浜で小さな洋食店を営んでいたが、ある日、何者かによって両親2人が殺害され、残されたことどもたちは3人でなんとか生きてきた。14年経った今、末っ子の妹、静奈が出会ったレストランのボンボンが作った「ハヤシライス」に仰天する。それは、亡くなった父の作った「ハヤシライス」の味だった。両親の死の謎を追いかけて物語は進んでいく…。
彼女はスプーンでハヤシライスをすくい、口に運んだ。どうだ、と功一が訊いた。静奈は彼を見返し、深く頷いた。「本当だ。これ、父さんの味だ」…
東野圭吾著作「流星の絆」(講談社)より
東野圭吾のミステリー小説「流星の絆」の一節は<父さんの味>である「ハヤシライス」の味がポイントになり、物語が展開していきます。
父が作る評判の「ハヤシライス」はデミグラスソースのうまさが特徴。そのうまさの秘密が物語(事件)のきっかけになっている様子です。さて、どんなにおいしいお味なんでしょう。。
洋食の定番・ハヤシライス。味付けも具材も多種多様に変化したワケとは?
そもそも「ハヤシライス」は誰が作ったのでしょうか?
かつてTBSドラマの連続ドラマ「天皇の料理番」のモデルとなった元宮内庁大膳職主厨長だった秋山徳蔵が考案した宮内庁版ハヤシライスを上野精養軒のコックをしていた「林」が、従業員の賄い飯として作ったとか、丸善創業者で医者の早矢士有的さんが作ったなど様々な説があります。
その味付けも様々。薄切り牛肉と玉ねぎで炒めて作るデミグラスソースものが比較的有名ですが、トマト味がベースのしょうゆ味ソースだったり、味噌をベースにした味付けも。
具材も牛肉だけでなく豚肉を使ったものもあり、「ハヤシライス」が家庭料理として気軽に作られやすいのはそのためです。
ちなみに我が家では牛肉より豚肉使用の方が評判です。
自分らしい味で作るMY「ハヤシライス」、ぜひ作ってみてください。
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