春の訪れを告げる「なばな」のおいしい食べ方
千葉県南房総在住のたべぷろ編集部員・原みりかです。年明け早々からさまざまな花が咲き始める南房総地区。温暖な気候を活かして花栽培が行われています。色とりどりの花が咲き誇る畑で花摘み体験ができ、ひと足早い春を求めてたくさんの観光客が訪れます。
その中でも黄色と黄緑色のコントラストがかわいい菜の花が、畑や道端に咲く南房総の風景は圧巻です。派手な花ではありませんが、春の訪れを告げる花として親しまれています。今回は、観るだけでなく食べることもできる菜の花「なばな」をご紹介しましょう。
菜の花はどんな花?
千葉県の花でもある菜の花は県内で盛んに栽培されており、観るだけではなく食用として、我々の身も心も満たしてくれます。
通常「菜の花」と呼ばれるのは、数種類あるアブラナ科の黄色い花の総称です。菜の花には観賞する花以外にも、菜種油を抽出する「ナタネ」、食べることができる「なばな」があり、いずれも別品種だそうです。
出典元:野菜ナビ「ナバナの概要」
観賞用の「菜の花」と食用の「なばな」はどこが違うの?
観賞用の菜の花も食用のなばなもルーツは同じですが、なばなをおいしく食べるために食用に品種改良栽培されています。
- 苦みやあくを少なくする
- 茎が柔らかく、太くしない
- 脇芽の成長を促し、何度も収穫ができるようにする
- つぼみの大きさをそろえる
以上の点が食用に改良された、観賞用の菜の花との違いです。
なばなは、若々しくてやわらかい花茎や葉っぱ、そしてつぼみを食用にします。独特の苦みや甘味、香りが春の訪れを感じるおいしい野菜です。
出典元:千葉県「観賞用の菜の花との違い」
おいしい食用なばなの選び方
- 葉が柔らかく、茎はあまり太くない(成長しすぎたものは固い)
- 緑色が濃く鮮やかでしなびていない
- つぼみの大きさがそろっていて小さく締まっているもの、緑色で開花していない
- 切り口は 水分があり乾いていない
時間が経ち切り口が乾いてくると茎の中が、すかすかになってきます。茹でたとき、水っぽい仕上がりになってしまうので注意が必要です。
花が咲いてしまうと苦味が増して味にも影響が出てくるので、つぼみが開いていないものを選ぶとよりおいしく食べることができます。
出典元:千葉県「おいしいなばなの選び方」
なばなをおいしく食べるポイント
収穫後時間が経つと、つぼみが開いて花が咲いてしまいます。できるだけ早く食べることをお勧めします。
保存する場合は、束をばらしてつぼみ部分を上にして、保存袋にいれてから冷蔵庫の野菜室に立てて入れると良いでしょう。
出典元:千葉県「ナバナの保存方法」
<なばなの茹で方>
・お湯は1リットルに対して塩小さじ1ほど
・なばなを3等分に切り、茎(根元)→茎(真ん中)→つぼみ(穂先)の順に30秒ごとの時間差で鍋に入れる。
・茹で時間は茎の太さにもよるが合計1分30秒程が目安。
・茹で上がったらざるに取り、広げてさます。
※水っぽくなるので水にはさらさない方がよいでしょう。
なばなをおいしく食べる料理
茹でたなばなを使っていろいろな料理にアレンジしてみましょう。
定番、菜の花のおひたし
唐辛子の辛さと菜の花の苦みがアクセント、菜の花のペペロンチーノ
春の行楽弁当にぴったり、菜の花海苔巻き
シンプルな食材なので何にでも合います。炒め物のいろどりとして、鮮やかな緑色は盛り付けのアクセントとして料理を引き立たせてくれます。
寒い冬に春の訪れを告げる菜の花。食べた時のちょっとした苦みも春を感じることができることでしょう。ぜひ、観るだけでなく今の季節に食べていただきたい、自然のめぐみいっぱいの野菜です。
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