キユーピーは今春、従来のドレッシングや料理用ソースとは異なる、“ビネガーと野菜の調味料”を多彩な料理に向け提案する。5月12日からサラダ以外のメニューにも健康感を求めるニーズに対応し、主菜や主食に使用できる「テーブルビネガー」シリーズ3品(写真)を全国で発売する。幅広い料理に健康感をプラスする“新ジャンル”に位置付けられ、健康志向の高い層を中心に初年度12億円の売上げを見込む。

健康志向が高まる中、ドレッシング最大手の同社でも、ビネガーの健康感や野菜を主役にしたものが好調に推移している。近年では13年8月発売の「テイスティドレッシング 黒酢たまねぎ」や14年8月発売の「5種の野菜ドレッシング」などは素材の健康感で好調だという。2月には果実酢を使った新シリーズ「緑キャップ」「フルーツビネガー」を発売するなどこだわりのビネガーでサラダを食べる提案を強化している。

今回商品化した「テーブルビネガー」は味わい豊かなビネガーに刻み野菜を豊富に加えた調味料。肉や魚料理などの主菜のほか、丼物などの主食との相性も良い。グループ会社のキユーピー醸造によるこだわりのビネガーと相性のよい野菜をそれぞれ組み合わせ、食感の異なる玉ネギ原料を組み合わせて使うなどドレッシング作りのノウハウを盛り込んだ。

展開する3品は、いずれもビネガーの風味と野菜の食感を楽しめる。「玉ねぎと大麦黒酢」は芳醇(ほうじゅん)な香りとマイルドな酸味が特徴の大麦黒酢に、刻んだ玉ネギを加えて豊かな風味を実現。爽やかなレモン酢に刻んだニンジンとレモンの果皮を合わせた「にんじんとレモン酢」ではサッパリ感が楽しめる。「玉ねぎと五穀酢 ゆず仕立て」はマイルドな酸味が特徴の五穀酢に刻んだ玉ネギ、ユズの果皮、ユズコショウを加えた。

料理に対する健康感のニーズは近年、サラダなどの野菜メニュー以外でも増加しており、今後も伸長することが見込まれる。同シリーズは、生鮮などとのクロスMDなどでも高い効果を発揮することが濃厚で、反響が予想される。

◇日本食糧新聞の2017年4月14日号の記事を転載しました。