福島県郡山市は1月18~19日、東京都千代田区のヤフー本社社員食堂「BASE11」で、特産品であるコイを使った特別メニューを提供した。
これは、20日から郡山市内で開催する「鯉食キャンペーン“旬”」のプレイベントで、先頭に立ちPRを行った品川萬里市長は、「食の魅力を発信することで、環境保全など、市のグレードが上がる連鎖効果に期待したい」と期待を表した。

今回販売されたのは、同市内の飲食店でも提供されるコイの天ぷらなどを盛り付けた「恋する鯉丼」300食と、「鯉のあらい」。「恋する鯉丼」は郡山産米「あさか舞」を使用し、購入者には特産品の当たる抽選会を実施した。また、コイ製品や6次化商品などの物販や、同市のイメージキャラクター「がくとくん」との写真撮影など、さまざまなPRを行った。

品川市長は、コイをはじめとした郡山市の食材を広めることが、「食を通じた政策連鎖にもつながる」と語り、内水面漁業による新たなタンパク源の供給が、「食料安全保障」にもつながるとの見通しを示した。

同市は1878年に開拓した安積疏水を嚆矢(こうし)とした、かんがい用のため池を活用し、古くからコイ養殖がさかん。年間約700~800tのコイを生産する国内第2位の産地で、全国で唯一「鯉係」を市役所内に設置している。市を挙げてのコイ食普及を進めており、市内でコイ料理を取り扱う飲食店も46店舗に拡大している。

◇日本食糧新聞の2018年1月29日号の記事を転載しました。