明治は、慶應義塾大学医学部の井上浩義教授との共同研究で、アーモンド入りチョコレートの継続摂取が便通を改善し、肌の水分を保持する効果を有することが示唆される結果を得た、と1月17日に東京都内で開催した同社主催「チョコレートフォーラム」で発表した。

同社と井上教授の共同研究グループは、25歳以上50歳未満の女性で、直近2週間の排便回数が週2回以上4回以下、かつ皮膚の乾燥に自覚がある人を被験者とし、ランダムに2グループに分け、1群(36人)は、カカオ分70%のアーモンド入りチョコレートを1日8粒、8週間継続摂取し、対照群(アーモンド入りチョコレート非摂取の35人)と各種評価項目を比較した。

結果、アーモンド入りチョコレート摂取群は対照群に対し、排便回数や便量が有意に増加し、胃腸状態の自覚症状も有意に改善した。また、肌質に関しても肌状態の自覚症状が有意に改善し、乾燥肌の被験者を対象とした層別解析では8週間後の角層水分量が有意に増加した。

これらの結果から、アーモンド入りチョコレートの継続摂取が便通を改善し、肌の水分を保持する効果を有することが示唆された。

「チョコレートフォーラム」は、おいしさと健康効果の面から広がるチョコレート・カカオの魅力を、エビデンスを紹介しながら分かりやすく学び、チョコレートを使用した料理の試食もできるイベントとして一般招待者を対象に実施。

井上教授の発表のほか、帝京大学理工学部バイオサイエンス学科の古賀仁一郎教授が高カカオチョコの腸内フローラ改善効果および便通改善効果実証などの研究結果を、愛知学院大学心身科学部健康栄養学科の大澤俊彦客員教授が愛知県蒲郡市、明治、愛知学院大学の産学官共同で実施した大規模研究で、血圧低下やHDLコレステロールの上昇を確認し、追加分析で脳細胞の増加に必要とされるBDNF(脳由来神経栄養因子)が有意に増加したことを確認し、認知症予防の可能性が示唆されたと報告した。

明治の伊田覚執行役員菓子商品開発部長は、チョコレートに関する基本的な知識を伝えた上で、チョコの価値が正しく理解されるためにさらなる情報発信が必要と述べた。

◇日本食糧新聞の2018年1月24日号の記事を転載しました。