18年の小売各社の恵方巻き商戦は、太巻きを含めた組み合わせ、祈とうを受けた海苔を使うなどの提案や切り口も工夫している。有名料理店の監修やキャラクターとコラボレーションも多彩になっている。恵方巻きは季節催事として定番化しているだけに、各社ともさらに独自色を打ち出す。巻き寿司以外でもスイーツや麺類、惣菜など関連商品を展開し、併売で販売の底上げを図る構えだ。

セブンイレブンは、ミニサイズの恵方巻きに加え、いろいろな商品との組み合わせの「ブュッフェスタイル」を提案する。スリムサイズの「福を呼ぶ七品目の恵方巻」や「海老とツナのサラダ巻」のほか、丸ごと1本のエビフライを使った「海老フライ巻」や海鮮具材が豊富な「華やぎの贅沢恵方巻」、アンガス種の牛肉の「牛すき巻き」など揃える。

さらに節分を彩る「福を呼ぶ七品目のけんちん蕎麦」など麺類、「節分もちとろさつまいも棒」などスイーツもラインアップに加える。

ファミリーマートはキャラクターとのコラボ商品を打ち出す。女性を中心に人気の「ハローキティ」を採用した「ハローキティ・サラダ恵方巻」はランチボックス付き。スイーツでは「けものフレンズ」とコラボした「けものフレンズ サーバルロール」を販売する。

ローソンは食材に特色を出す。京都音羽山清水寺で祈とうした海苔を用いた恵方巻きを販売する。キャラクターのコラボでは「リラックマ」の恵方巻きやスイーツのロール巻きも展開する。

イトーヨーカ堂は、有名店の監修で品質の高さを打ち出す。有名グルメガイドブックで7年連続で星を獲得した有名店が監修した「鈴なり 村田店主監修 焼きさばときんぴらごぼうの上恵方巻」、洋風をイメージした「オステリア ルッカ 桝谷シェフ監修プリプリえびかつのオムROLL」で子どもも楽しめるようにした。

イオンリテールも17年に好評だったミシュランガイド7年連続三つ星の寿司店監修の「鮨よしたけ監修 極恵方巻」をさらに改良し投入。ほかにもJFグループ(漁連・漁協)が取り組む国産水産物の消費拡大策「プライドフィッシュ」による日本各地の漁師が厳選した海鮮素材を使った「日本のPRIDE 海鮮太巻」で付加価値の高さを訴求する。

◇日本食糧新聞の2018年1月10日号の記事を転載しました。