味の素社は販売好調な即席スープ「クノール」の主食提案を初めて行う。2月19日から「たっぷり野菜で満たされたいときのスープごはん用」を発売、単身女性をターゲットにする。強みは120gという豊富な野菜量、小気味よい食感といった商品力。手つかずだった夕食シーンを開拓し事業規模の最高更新を後押しする。

1皿で1食が完結する「スープごはん」を提案する。パスタ入りカップの「スープDELI」で定着させた軽食、小腹満たしから提供価値を高める。増加傾向にある単身女性の時短、適量、低カロリー、癒やしニーズに着目。コンビニの惣菜・中食スープでも提案が進む、トレンドの「スープごはん」を開発した。

野菜はキャベツ、ニンジン、ホウレンソウを1日の摂取量目安の3分の1入れた。原料ごとにフリーズ・エアドライを使い分け、シャキシャキの食感、素材由来の甘みを引き出した。軽めのご飯1膳100gに「スープご飯」、お湯をかければ出来上がり。

「まろやかコンソメ」(写真)「しお鶏だし」の2メニューを揃え独自のこくみ、スパイスを配合した。口にすると、あっさりしながらコクも感じられ、食べ飽きない。カロリーは約70kcal。ご飯を加えても200kcal台前半にとどめ、未開拓の夕食、個食使用を促す。

売上げ目標は4億円(消費者ベース)に設定。SNSなどでタンパク質を補う、レシピ提案も進める。店頭売価は1食248円を想定。売場はお茶漬けなどのご飯周りでなく、スープ棚へ展開する。

既存の「クノール」売上げは今3月期も増加して推移。前年まで2年連続で2桁成長し、業績は過去最高に達した。今期は夏の「冷たいクノール」展開を強め、例年より寒かった秋商戦をスムーズに始め、貢献した。

◇日本食糧新聞の2018年1月17日号の記事を転載しました。