京王百貨店新宿店で開催中の「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」では、目移りするほどに魅力的な駅弁がたくさん売っています。定番のお弁当ももちろんよいのですが、ときには変わり種の駅弁も食べてみたいと思いませんか?
普段見慣れない駅弁に出会えることもまた、この大会の醍醐味。前回の定番おすすめ駅弁に引き続き、今回は掛け紙や容器に仕掛けのある、変わり種の駅弁をご紹介いたします。見かけたらついつい、手を伸ばしてしまうかも!?

昔なつかしのデザインと味わい「湖北のおはなし」

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【たべ鉄女子・駅弁大会リポート】「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」初心者にオススメ駅弁3選

唐草模様の“風呂敷”風掛け紙は、ひときわ目を引く存在。包みを広げて食べるときのわくわく感がたまりません

唐草模様の掛け紙に包まれた「湖北のおはなし」は、滋賀県と旧近江国北東部を指す湖北地方の名産品を詰めた駅弁です。昭和62年に、JR東海が「新幹線グルメ」として作ったのがはじまりでした。見た目、中身ともに、どこか懐かしさを感じさせるお弁当は、レトロなかわいさとあたたかさに溢れています。

製造している井筒屋は滋賀県・米原駅にあり、創業100年を超える老舗。定番の幕の内や鶏めしほか、季節限定のお弁当なども多数販売している人気店です。

包みを開けると、まきすのようなお弁当箱に包まれた駅弁が登場

「湖北のおはなし」のおすすめポイントは、なんといっても見た目のかわいらしさ。“風呂敷”風掛け紙もさることながら、開けてみると、まきすのような弁当箱に包まれた駅弁が登場し、思わずほっこりしてしまいます。

包んでいた掛け紙はランチョンマットとしても使えて、まさに電車の中で食べるために作られている-といったところ。

語りかけてくるような「おこんだて」の文章は、親しみやすいあたたかさに包まれています

湖北地方のくらしをイメージして作られ、まるでおばあちゃんがそっと持たせてくれたようなお弁当が再現されていて、ほっとするような印象です。

おこんだてはどれも湖北地方でとれる名産品ばかり。特に目を引くのは鴨でしょう。なつかしくやさしいおかずが並ぶ中、メインのおかずとしてひときわ目立っています。

同封されている「おこんだて」はぜひ読んでほしいところ。お弁当への熱意や思いが伝わってきます!

中身は彩り豊か。おかずの種類も豊富で、少しずつ名産を楽しめるのがよいところです

気になる駅弁の中身は、湖北地方名産の「鴨のロースト」にはじまり、こんにゃく煮や山ごぼう漬けのような懐かしいおかずも入っていて、まさにバラエティー豊か。

おこわは季節によって山菜や枝豆、栗と変化しますが、冬には黒豆を使用。四季に合わせて旬の素材を扱うところもまた、「湖北のおはなし」の魅力です。

もちもちとしたおこわと、やさしい味わいのおかずたち。見た目も味わいも、どこかノスタルジックでやさしい気持ちになる駅弁です!

<販売情報>
「湖北のおはなし」
価格:1150円(税込)
主な販売駅:JR米原駅
製造:井筒屋(0749-52-0006)

なんと植木鉢が駅弁に!?「お鉢弁当」

初見は見た目のインパクトに驚いてしまうかも?不思議な駅弁のご紹介です!

一見釜めしのようにも見えるこちらは、なんと植木鉢をお弁当箱にしてしまったという斬新な駅弁。その名も「お鉢弁当」です! 駅弁の老舗、南洋軒(滋賀県草津市)で製造される、ちょっと不思議なお弁当です。

持ちあげてみると、ほかのお弁当とは違うずしっとした重みが。本物の滋賀特産・信楽焼の植木鉢なのがよくわかります。

中を開けてもびっくり。なんと、種もついているんです!

“新聞”チックな掛け紙を解くと、出てくるのはなんと「ラディッシュのたね」。食べ終わった後には植木鉢でラディッシュを育てられちゃうんですよ。こんな駅弁ってあり!?と思われるかもしれませんが、これはじつに新しい試み。

こちら「お鉢弁当」は、明治から続く老舗の南洋軒がこれまでと違った駅弁を作るべく、外部から新しいデザイナーを採用して作った駅弁です。デザイナーの方はもちろんプロですが、食品関係にはあまり詳しくない方をあえて選んだのだそう。

新聞のようなデザインの掛け紙には、このお鉢弁当が誕生するまでの経緯がおもしろく解説されています。そちらもぜひチェックしてみてくださいね。

ふたを開けると植物が芽を出すように包み紙が開く。色鮮やかなこんだてにも注目

見た目のインパクトを感じつつ、いざふたを開けてみると…まるで植物が芽吹くようにふわっと包み紙が広がります。お弁当の中身は、しいたけや銀杏、たけのこ、れんこんなどなど、昔ながらの駅弁をほうふつとさせるこんだて。斬新なデザインとのギャップもまた、この「お鉢弁当」のよいところです。

ご飯は高菜めし。味がしみ込んでいて、こちらもおいしい

伝統ある駅弁のお店だからこその新しい挑戦。これまでの駅弁とは一味違ったデザインや遊びを楽しみつつ、昔ながらの味やおかずを大切にしていることがうかがえます。

昔から駅弁が好きな人も、駅弁をあまり知らない人も、どちらも楽しめるお弁当になっています!

<販売情報>
「お鉢弁当」
価格:930円(税込)
主な販売駅:JR草津駅
製造:株式会社南洋軒(077-564-4649)

53回目を迎える「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」では、今年も100種ほどの初登場駅弁が販売されています。一風変わった掛け紙や容器も続々登場して、さらにパワーアップを続けているんです!

まだまだ間に合う!珍しい駅弁に会いに行こう

「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」は1月23日まで京王百貨店新宿店で開催中です。駅弁をその場で作っている姿を見られたり、なかなか手に入らない地方の駅弁を購入できたりと、ここでしか体験できないことがたくさん。

売り切れたり販売終了したりしている駅弁もあるので、京王百貨店のチラシや公式サイトを見て、事前にお目当ての駅弁をチェックしておくのがおすすめです。

今回ご紹介した駅弁以外にも、変わり種の駅弁が多数販売されています。せっかくの機会ですから、ぜひお見逃しなく!