中央ヨーロッパ・ハンガリーの首都ブダペスト在住のフードライター旅野きっこです。ヨーロッパ各地に溢れる美味しいご当地グルメを堪能しながら、お酒を楽しむ日々を送っています。いよいよハンガリーでも、ヨーロッパ全土での冬の最大イベント、「クリスマス」へのカウントダウンが始まりました。美しいイルミネーションと各地のクリスマスマーケットなど冬の1番の楽しみがやってきます。さて、ハンガリーではどのようなクリスマスを楽しむのでしょうか?

年間で1番大事なイベント「クリスマス!」

ヨーロッパではクリスチャン(キリスト教徒)が多いため、クリスマスのイベントは本当に大事にされます。ハンガリーでは家庭内のイベントとして正式な12月24・25の前の3週間、「銅の日曜日」「銀の日曜日」「金の日曜日」と日曜日ごとに名称が付き、リースに4つ置いたロウソクに1つずつ灯をともします。

また、外国の映画のように大きなツリーの下に一人ずつ家族それぞれに当てたプレゼントを置いておきます。

日本のようにカップルや友達同士で祝うのではなく(前日まではマーケットなどで楽しくワイワイ騒ぎますが)クリスマス当日は家族と厳かにその日のために用意したクリスマスならではの料理や部屋のデコレーション、スイーツなどで日々に感謝するイベントです。

ハンガリーではクリスマスには一体どんな食事をするのでしょうか?

ハンガリーのクリスマスでは何を食べるの?

さて、早速ハンガリーでクリスマスを彩るグルメを見てみましょう。ちなみにハンガリーでは(大方のヨーロッパ諸国でも)12月24・25はスーパーや市場などほとんどが閉まっているため、食料の調達はクリスマス休暇前に済ませておかなければなりません。

ヨーロッパのクリスマス…として思い浮かぶ「ローストターキー(チキン)」の詰め物は何にしようか、それからハンガリー名産である「フォアグラのグリルと付け合わせの紫キャベツのマリネ」、絶対に忘れてはならない「ハラースレー」という魚のスープ(味付けはパプリカパウダー)、それから「ペイグリー」と呼ばれる渦巻き状の焼き菓子。

そしてシャンパンやワイン。各家庭では、これらの「絶対に外してはならない料理」を事前にこしらえ、クリスマス当日へと臨むのです。

さぁいよいよクリスマス当日!

長い冬の到来、11月頭には既にサマータイムが終わり、寒くて暗い時期へと突入します。そんな時期に日本のように娯楽がないハンガリー人の楽しみと言えばクリスマスマーケット以外にはありません。

これは現地在住の他国の人々も同じなので、積極的にクリスマスマーケットへと出掛け、ホットワインや出店に出ているかわいい雑貨やオーナメントで盛り上がります。他のヨーロッパ諸国の人々も同じ様な楽しみ方をしていると思いますが、ハンガリーのクリスマスマーケットで優れているのは何といっても「食の豊富さ」です。

ハンガリーの首都・ブダペストのクリスマスマーケットには本当にたくさんの美味しそうなミールが用意されています(お値段もハリ気味)。

またハンガリー名産の蜂蜜やオーナメントとしてもデコレーションとして飾った後に食べるかわいいクッキー(クリスマス用のジンジャークッキー)、ハンガリーを代表する陶磁器やクリスマスカードなど、私たち日本人が行ったら「これが絶対本場ヨーロッパのクリスマス!」というものがそっくりそのまま味わえます。

そしてそんなマーケットを存分に楽しんだら当日はマーケットも早い時間で終了し、家族と共に最大限のごちそうでクリスマスを祝います。静かに、厳かに。

深夜から市内の大きな教会で何時間もかけてミサが行われ、神父の説教を聴いたり、賛美歌を歌って過ごします。「命に感謝して、全てに感謝して」と。

ヨーロッパのクリスマスは本当に日本とは違い、本場の最たるものとして味わえるので、ぜひ1度は皆さまも本場ヨーロッパのクリスマスを過ごし、各地のクリスマスマーケットをハシゴすることをおすすめします!