長崎県松浦市在住、平戸市のホテルに勤務するたべぷろ編集部員・tonです。今回は意外と知られていない長崎・平戸の地酒2種類をご紹介します。日本酒の楽しみ方は自称のんべえのtonにお任せください。

一番搾り! 貴重で贅沢な生酒「飛鸞(ひらん)」

長崎県平戸市には酒造場会社が2社あり、その一つが創業122年の「森酒造場」です。この酒造場の看板商品ともいえる日本酒の一つが「飛鸞(ひらん)」です。

長崎・平戸の地名の由来にもなったというこちらの一品、口当たりはやや中辛で魚料理のうまみを引き出してくれます。刺身と一緒にいただくのがベストですが、私はあえて秋が旬の「あご(とびうお)」でいただくことにしました。

あごの硬い身から染み出る独特の苦みで日本酒の口当たりがよりまろやかになります。気が付いたら、あご6匹と飛鸞一本300ミリリットルを平らげてしまいます。もちろん、飛鶯と相性が良いのは苦みのあるあごだけではありません。

ヒラメ、イカ、タイの甘みを引き立ててくれます。やや中辛の日本酒を呑んでも甘みが増すなんて、不思議なことですよね。実を言うと、この味わいの謎をいまだ解明できていないのです。

そしてもう一つ、飛鸞のアピール点があります。一番酒と呼ばれる生酒であることです。飛鸞には二種類ありまして、写真のように生酒であるものと、二番酒以降のお酒です。二番酒以降のお酒ももちろん魚と相性が良いのですが、やはり生酒には敵いません。

生酒の方が味わい深く、かつあっさりしています。こちらのお酒で日本酒デビューした私が言うのですから、10人中8人は共感してくださるかと思います。

えっ、白ワインじゃないの? レディの夢を語る「夢名酒」

長崎・平戸の酒造場「森酒造場」には、女性からの支持を受けている日本酒がもう一種類あります。その名も「夢名酒(むめいしゅ)」です。こちらの酒造場、お酒の試飲が可能なのですが、初めて口にしたとき、非常に驚きました。

香りは確かに日本酒です。それなのに、味わいが白ワインに近いのです。呑みやすいので女性に好評をいただいているとのことですが、なるほどと私も同感しました。それに、長崎・平戸の特徴でしょうか、名産である数々の魚と相性が良いお酒がほとんどです。

刺身などの和食だけではなく、洋食でも魚との相性が良いのかを試してみました。スーパーで購入した長崎県産のタイをトースターで焼き、スライスチーズを巻いた一品です。まずはタイ単品で一口いただきました。

このときはじめて知ったのですが、タイはチーズとも相性が良いのですね。タイの淡白な甘みとチーズの濃い味が見事に融合しています。次に、夢名酒と一緒に口に含みました。さすがは白ワインに近い味の夢名酒、洋食風の魚とも相性が良好です。白ワインの味覚とチーズのコクが互いに主張するのですが、舌を二枚持っているかのように同時に味を楽しめます。

今回は冷酒グラスで夢名酒をいただきましたが、気分をアゲるためにワイングラスでいただくのも良いですね。夜長の秋、ワイングラス片手に満月を眺めるなんて、レディの夢ではありませんか? 忙しない日常を忘れることができるかもしれませんよ。

日本酒デビューを充実させるために

私は日本酒の試飲から始まりましたが、女性であればお洒落な雰囲気で日本酒の蓋を開けてみたくありませんか?

肴にこだわるのはもちろんのこと、器に興味を持つのも日本酒の楽しみ方の一つだと思います。例えばワイングラスでなくても丸いフォルムのグラスを使ってみる、アカシア木製の器に肴を盛ってみるなど、テーブル上のコーディネートは十人十色です。

私は長崎・平戸の雰囲気を作るために地元の人気雑貨「ステンドハンカチ」を敷いています。あなたも気分がアガる日本酒タイムを生活に取り入れてみてはいかがでしょうか?

<森酒造場>
住所:長崎県平戸市新町31-2
電話番号:0950-23-3131
※「ステンドハンカチ」は森酒造場では販売しておりません。