鹿児島県鹿児島市出身のたべぷろ編集部員・横路あるくです。その昔「薩摩(さつま)」と呼ばれていた鹿児島県には”さつま”と名前のつく食材・料理が多くあります。以前、ご紹介した「さつま汁」や特別な日に食べる「さつますもじ」やコンガリとした焼き色の「さつまあげ」など……県民に親しまれています。今回ご紹介するのは「さつまいも」を使った料理「がね」。ホクホクしたさつまいもの甘味がたまらないお料理ですよ。

カニのようなカタチが名前の由来

鹿児島県の郷土料理「がね」とは、わかりやすく言うと「さつまいもの天ぷら」です。天ぷらはサクサクとした衣を楽しむ食べ物に対し、がねはドッシリ感を楽しむ食べ物といったところでしょうか。

「がね」の名前の由来は、海にいる「カニ」が元となっています。なんでも、揚げたその形が「カニ」に似ているからだそうですよ。プックリこんがり揚げられた「がね」を見ていれば確かに、カニに似ているような気がします。

がねはやっぱり揚げたてを食べるのがイチバン!

鹿児島県の郷土料理「がね」の作り方は至ってシンプル。

まず、さつまいもを中心に、にんじん・かぼちゃ・ニラなど家庭の中にある野菜を短冊切りにします。

そして塩・コショウ・醤油などで味を整え、卵と小麦粉を混ぜ高温の油で揚げていきます。混ぜて揚げるだけと思いきや、料理初心者にとってがねを上手に揚げていくのは至難のワザ。

実際に作ってみればお分かりいただけると思うのですが、がねを大きく作ろうとすると、がねの中心部まで火が通らずに生状態のままになってしまうんです。私もまだお料理にあまりなれていない頃、何度か失敗しました。

できたてのホクホクを食べるのが、がねの美味しい食べ方です。できたてのがねをお箸でつまみ、ヤケドをしないように気をつけつつ食べます。天ぷらには、醤油・ソース・塩などお好みで加えることが多いと思うのですが、がねの中にはいろいろなお野菜が使われていますから、プラスの味付けは不要です。

ダシの効いた汁モノと一緒に食べるのがたまらない!

とはいえ、やはりがねだけでは寂しく感じててしまうのも事実です。シンプルな鹿児島県の郷土料理「がね」に合うのは、ホッとする味のお料理。今回は椎茸ダシをとり、蕎麦といっしょにいただくことにしました。もちろん、うどん・そうめんとの相性もバッチリですよ。

まとめ

鹿児島県の郷土料理「がね」をご紹介いたしました。味付けや作り方だけではなく、家族みんなで、大皿に盛ったがねをワイワイと食べるのが一番美味しい食べ方ではないかな、と思います。年末年始や年越しそばのオトモに鹿児島県の「がね」はいかがでしょうか。