沖縄県本島南部にある南城市在住のたべぷろ編集部員・猫野ちゅらこ(もちろん仮名)です。早いもので沖縄に住むようになってからもう5年が経ちました。移住当初は必ず「ないちゃー(内地(本土)の人の意)ね?」と聞かれていましたが、沖縄の紫外線(本土の5倍あるのでSPF50などはほぼ意味がないのです)に焼かれ、「沖縄出身?」と聞かれるくらいにはなじんできた今日この頃です。

さて、沖縄には本土とは一風変わった野菜たちがたくさん。沖縄独自の気候や風土で育つ「島野菜」と言われる野菜たちは、強い太陽(てぃだ)の恵みを受けて栄養がたっぷりです。こちらのページではそんな島野菜の紹介だけでなく、島野菜を使った美味しいレシピをお伝えしちゃいます。

今回のレシピは、「島人参」を使った、地元では定番料理の「にんじんしりしり」です!新しい人参の食べ方としてレシピに加えていただければ幸いです。

沖縄の島野菜を手に入れるには直売所がベスト

さて、沖縄の島野菜は地元のスーパーや通販などでも手に入りますが、賢い地元の主婦が使うのは、農家の皆様が地域でとれた野菜を販売している直売所です!基本的に地産地消のお店でです。

沖縄本島内にはたくさんの直売所があります。旅行に行った際にはぜひ立ち寄ってみてくださいね!野菜によっては本土に持ち出せないものもありますのでご注意ください。


今回訪れたのは南城市にある「軽便駅かりゆし市」です!

中はこんなふうになっていて、野菜・花・豆腐・パン・調味料などが販売されています!


本土でもおなじみの野菜ももちろんありますが、基本的には地元で収穫されたものばかりなので、何があるかはその日に行ってみないとわかりません。


直売所の特筆すべきはその価格の安さ。筆者もいろいろ行きましたが、この「かりゆし市」の価格は農家の皆様にもっとお支払いしたほうが良いのでは・・・と心配になるレベルです。


こちらはよく魚料理などに付け合わせされているフェンネル。右隣はパセリです。こうした付け合わせの野菜やハーブなども実は手に入りやすい沖縄。


さて、こちらが今回の主役である「島人参」(写真上)です。普通の人参(写真下)と比べると、ごぼうのように細長くて繊維も多めなのが特徴です。堅いので炒め物に向いています。炒めると何とも言えない甘みが出てきますよ。

「にんじんしりしり」を作ってみましょう。

「にんじんしりしり」はそんなに難しい料理ではありません。またメイン料理というよりは副菜として付け合わせになることが多い料理です。

※材料※(4人分)

・島にんじん 4本程度
・ツナ缶 1個
・卵 1個
・すりごま 大さじ1

・お酒 大さじ 1
・塩/こしょう 適量
・醤油 適量

(1)まずはにんじんを洗って、”しりしり”します。”しりしり”とは沖縄の方言で”繊切り”の意味です。この「にんじんしりしり」という料理がどれだけ沖縄でメジャーなのかを示す道具があります。それは・・・

じゃーん!これは沖縄の家庭には一家に一台「しりしり器」です!普通にスーパーで買えます。


スライサーの繊切りをやや太めにした感じです。この太さ加減が絶妙な「しりしり」を生み出します。


しりしりしています。もちろんスライサーでもできますし、ご自身でやや太めの繊切りをしていただいてもOKです。繊切りというよりも、ささがきをするようなイメージでしょうか。

(2)フライパンにごま油を敷き、にんじんを塩コショウし、シーチキンを加えて炒める。

火は強めです。人参がややしんなりしてきたら、


ツナ缶を加えます。油やスープはお好みによって切ってください。私はそのまま入れちゃいます。実は沖縄県民はツナが大好きで、多くの沖縄料理にツナが登場します。その証拠に、


量販店でもない普通のスーパーでも当たり前のようにツナが箱売りされているのです・・!お中元やお歳暮でも人気の品です。


脱線してしまいしたが・・・ツナを加えて全体的に混ぜ合わせたら、料理酒を入れてアルコールを飛ばしたのちに、醤油を加えます。

(3)人参に火が通ったら卵を割り入れ、軽く混ぜる
最後に卵を入れます。
固まらないように全体的に混ぜ合わせます。

卵がカチカチにならないうちに火からおろして盛り付けましょう。


完成です!
ちょっとした青みを加えるとプロっぽくなります!ここではパセリを使ってみました。

例えば、最初にガーリックも併せて炒めたり、最後にチーズを加えてみたり、ツナ缶の代わりにスパムやベーコンを使ったりなどアレンジも自由自在です。
さあ、ぜひオリジナルの「にんじんしりしり」を作ってみましょう!

まとめ

「にんじんしりしり」は。沖縄ではお子さんにも大人気で「おふくろの味」として代表的な家庭料理。お弁当の一品としても役立ちます。

今回は沖縄ということで、島人参を使いましたが、島人参にこだわらなくても普通の人参でも問題ありません。もともとが家庭料理のため、味付けやトッピングに各家庭のバリエーションがありますので、ぜひ工夫してあなただけの「にんじんしりしり」を作ってみてくださいね。