コーヒーは一日一回以上飲まないと気が済まない、コーヒーコーディネーターの碓氷あげはです。最近になって一気に寒さが加速したものですから、慌ててアイスコーヒーからホットコーヒーの用意を整えました。
さて今回は、王室のコーヒーという意味のカフェ・ロワイヤルのご紹介です。有名なナポレオンが好んだことから広まったとも言われていますが、置いているカフェは意外と少ないんですよね。そこで今回は、そんなカフェ・ロワイヤルについて語るとともに、自宅でおいしく飲む方法をお教えします。

カフェ・ロワイヤルってどんな飲み物?

基本的には、デミタスカップに専用のスプーンを掛け、その上に角砂糖を乗せます。次に、ブランデーをスプーンに垂らし、炎が燃え尽きる手前でコーヒーに落として混ぜれば完成です。

カフェ・ロワイヤルの特徴は、何と言っても火でしょう。角砂糖を燃やした際の香り、炎はカフェ・ロワイヤルでしか楽しめない味わいです。ただの砂糖では火は点きませんが、アルコール度数が40度もあるブランデーを角砂糖に浸み込ませることで、あの幻想的な火が点きます。

バーなどでパフォーマンスとして出されることもあれば、都内の一部のカフェでも提供しているため、気になった方は試してみてください。

これがないと始まらない!ロワイヤルスプーンとは?

カフェ・ロワイヤルを飲む際に、なくてはならない物がロワイヤルスプーンです。先端がかぎ状になっていて、カップの縁に引っ掛けられるようになっています。

普通のスプーンだと、角砂糖を乗せた瞬間に滑ってコーヒーに落ちてしまうため、カフェ・ロワイヤルにはこのロワイヤルスプーンが欠かせません。もし手元にない場合は、無理に引っ掛けずに手で持ったまま火を付けたほうが成功しやすいですが、火傷に注意してください。

なお、ロワイヤルスプーンは、コーヒーの専門店や通販で購入が可能です。価格は300円~1000円程度で入手できるため、自宅でカフェ・ロワイヤルを楽しみたいと考えている方はぜひ手に入れておきましょう。

自宅で作るカフェ・ロワイヤル

カフェ・ロワイヤルは、火を使うので難しく感じますが、ポイントさえ押さえれば自宅でも簡単に作ることができます。まずは、コーヒー、ブランデー、角砂糖、ロワイヤルスプーンを用意してください。デミタスカップに限らず、薄めのカップを使うと引っ掛けやすいです。

ここで一つ目のポイント!カップにコーヒーを注ぐ前に、スプーンとブランデーを温めておきましょう。こうすることで火が点きやすくなり、失敗する可能性が激減します。鍋で直接ブランデーを温める方もいますが、アルコールが飛ぶと火が点かないので湯煎がおすすめです。

二つ目のポイントは、火を点ける際にはライターなどを使うこと!本来はマッチを使うのですが、焦げ臭くなると同時にリンの匂いが付いてしまうため、せっかくの香りが阻害されてしまいます。

最後のポイントは、部屋を暗くしておくことです。青白い炎は明るいと見えないので、幻想的な見た目を楽しむために灯りは控えめにしておきましょう。あとは上記の通り、コーヒーの上にロワイヤルスプーンを掛け、角砂糖にブランデーを垂らして火を点けるだけで完成です。

大人なコーヒー、カフェ・ロワイヤルの味わい

大人の味わいが楽しめるカフェ・ロワイヤル。コーヒー自体がブランデーの香りをまとい、一口飲めばほんのりとブランデーの風味が口いっぱいに広がります。

もちろん、コーヒーの苦味やコクといった味わいも、きちんと楽しむことができる優れものです。使うコーヒーは好みで替えて構いませんが、砂糖で甘みとコクがプラスされるので、バランスの取れた苦味寄りのコーヒーがおすすめです。

また、炎の燃え方次第でアルコールをどれだけ残すか選ぶこともできます。砂糖が溶けていればアルコールはほとんど残りませんが、未成年の方が誤って飲まないように注意してくださいね。

さて、今回はナポレオンの愛したカフェ・ロワイヤルをご紹介しました。今年の秋の夜長は、カフェ・ロワイヤルをお供にして、冷える夜を温かく過ごしてみてはいかがでしょうか。