ローソンは、移動販売車で注文を受けたカウンターのファストフードをドローンで届ける試験運用を、ローソン南相馬小高店(福島県南相馬市)を拠点に10月末から半年間行う。東日本大震災、福島第一原発事故の影響で買い物に不便している高齢者世帯に、温かい「からあげクン」などを届ける。ドローンは完全自律制御型で、運用は楽天が担当する。

南相馬小高店は、水・木曜に移動販売車で小高地区を回っている。ドローン配送は、水曜の移動販売で実施する。

小谷集落センターに駐車した移動販売車で「からあげクン」の注文を受けると店舗に電話連絡、からあげクンを専用ボックスに詰めてドローンに装着、河川上の飛行ルートで約2.7km離れた小谷集落センターまで届ける。1回に2kgまで運べ、2往復は可能。楽天の担当者が水曜に南相馬小高店に出向き操作する。

移動販売車は常温・定温・冷蔵・冷凍温度帯商品約300種類を積載しているが、温かいカウンターのファストフードは衛生・品質管理上取り扱いができない。ドローン配送の活用で、カウンターのファストフードも届けられるようになる。

竹増貞信社長は、「店舗と移動販売車とドローンの連携で買い場の減少、高齢化・核家族化の課題解決とニーズに対応する」と狙いを述べた。

楽天は(1)新たな利便性提供(2)買い物困難者支援(3)緊急時インフラ構築–の3本柱でドローン事業を展開している。2月に南相馬市とドローンを活用した物流システム構築を含めた包括連携協定を締結した。

◇日本食糧新聞の2017年10月11日号の記事を転載しました。