日本カバヤ・オハヨーホールディングス(HD)は、ヒト由来の乳酸菌で174件の臨床研究が発表され、効果と安全性が確認されている「ロイテリ菌」を使用した「ロイテリヨーグルト」(写真)を事業会社オハヨー乳業から、「ロイテリサプリメント」を新たに設立したヘルスケア領域に特化した事業会社オハヨーバイオテクノロジーズからそれぞれ発売すると発表した。

同社では「医と食のバランスを変える」という10年ビジョンを掲げて商品開発に取り組んでおり、今回の取組みが第1弾。今後、「ロイテリ菌」を主体に商品開発を進め、食品メーカーとして医療に頼らない健康な社会の実現を目指す。

8月3日、東京都内で開催した発表会で野津基弘社長は「当社はこれまでおいしさを極めるもの作りを進めてきたが、今後は人の豊かさ、健康とは何かを追求し、原料調達、研究開発、生産技術、配送まで考えて新市場を創出する企業を目指す」と宣言し、「ロイテリ菌」を活用した商品で「世界をリードする国際競争力を持ったもの作りを行い、世界に誇るブランド」を構築する考えを示した。

また、世界に向けて日本を代表する企業を目指し、志あるもの作りと人の健康に対して真面目に取り組む覚悟を持ち、オハヨー乳業のロゴを一新することも発表した。

同社は、16年12月にプロバイオティクス乳酸菌「ラクトバチルス・ロイテリ菌」など各種プロバイオティクス乳酸菌を扱うスウェーデンのバイオテクノロジーのバイオガイア社日本法人とサプリメントの独占販売契約と食品原料として使用するライセンス契約している。

「ロイテリ菌」は、口腔(こうくう)内の菌バランスを良好に保ち、歯周病菌や虫歯菌を減らすことで糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞などのリスク低減が期待できる。抗菌物質を生産する希少な乳酸菌で胃酸や胆汁に強く生きたまま腸まで届き、ヒト由来の乳酸菌であるため副作用がなくカラダに定着しやすいなどの特徴を持つ。

同社が「ロイテリ菌」に注目したのは、試験管試験や動物試験に加え、ヒトを対象にした174件の臨床試験があるなど多くのエビデンスを持つことから。

「ロイテリヨーグルト」は、生きた「ロイテリ菌」を含有するプロバイオティクスヨーグルト。生乳を使用し、香料、安定剤を使用せず乳本来のおいしさを引き出した。砂糖は使用せず、キシリトールを使用した。なお、同品は現在、機能性表示食品の届け出を行っている。110g、希望小売価格150円(税別)。9月19日、関東地区で先行発売し18年春をめどに全国展開を目指す。

◇日本食糧新聞の2017年8月7日号の記事を転載しました。