福島県会津若松市在住のたべぷろ編集部員・結城助助です。8月23日は、「天ぷらの日」だとご存知でしたか?夏も盛りの暑いこの時期、天ぷらを食べて元気に乗り切ろうということで天ぷらの日になったとのことです。そんな天ぷらですが、福島県会津地方にはちょっと変わった「まんじゅうの天ぷら」があるのでご紹介します。

地元でのおいしい食べ方は

浅草などには「揚げまんじゅう」と呼ばれるグルメがありますが、揚げまんじゅうとまんじゅうの天ぷらは似て非なるものです。どちらも衣をつけて揚げている点は同じですが、揚げまんじゅうに比べてまんじゅうの天ぷらのほうが皮が厚く、もっちりしているのです。

サックリ上がった衣の下には、もっちりした皮と油を含んでコクを増したあんこ……ついつい手が伸びてしまうまんじゅうの天ぷらですが、カロリーが高いのでほどほどに。

地元では、そのまま食べるだけでなく、塩を振ったり醤油をつけたり、人によってはかけそばにトッピングするなど、さまざまな食べ方で食べられています。

自宅でもまんじゅうの天ぷらは揚げますが、スーパーのお惣菜コーナーなどでも当たり前に売られています。全国展開しているうどんチェーン店でも、地域限定メニューとしてまんじゅうの天ぷらが売られていますし、市内にはまんじゅうの天ぷらを提供している飲食店も数多くあります。

会津地方においてまんじゅうの天ぷらはそれほどポピュラーなものなのです。

どうしてまんじゅうを天ぷらにするようになったの?

まんじゅうを天ぷらにするようになった理由は諸説あります。

「作ってから日が経ったまんじゅうを、油で揚げて安全に食べられるようにするため」とか「単にあんこと油のハーモニーがおいしいから」など、いろいろな理由があるようです。

また、「昔は貴重だった油を、特別な日の料理にぜいたくに使うため」という説もあります。というのも、会津地方ではお彼岸やお盆にまんじゅうの天ぷらを食べることが多いのです。お彼岸やお盆の時期になると、お供え物や団子の粉に混ざって、当たり前のように天ぷら用のまんじゅうが売られます。

まんじゅうの天ぷらを揚げて、お墓にお供えとして持って行く家も珍しくありません。

まんじゅうの天ぷらの作り方

まんじゅうの天ぷらの作り方は非常にシンプルです。用意するものは、
・まんじゅう
・天ぷら粉
・油
これだけ。

まんじゅうは皮が薄いものや焼いてあるものなどは天ぷらに向いていません。皮が薄いものや焼きまんじゅうは、揚げている間に皮がはがれてしまいます。

天ぷら粉を水で溶いたら、まんじゅうをさっとくぐらせ、180℃に熱した油で揚げていきます。

菜箸で触ってみて、衣がカサカサしていれば揚げ上がりです。まんじゅうはもともと火が通っているものなので、揚げる時間は少しで十分。

やけどに気を付けながら、冷めないうちに召し上がってください。緑茶だけでなく牛乳との相性も抜群です。