静岡県浜松市のガリバーフーズは1972年の創業以来、原材料と手作りでの製法を変えず、支持され続けているドレッシングメーカーだ。「野菜嫌いの子どもに野菜をおいしく食べてもらう」をコンセプトにした「野菜村ドレッシング」は、同県内の小売店で売れ筋となっているだけでなく、ふるさと納税返礼品としても人気が非常に高く、特にコロナ禍以降、引き合いが着実に増えている。

ガリバーフーズの「野菜村ドレッシング」は、「子どもが野菜をいっぱい食べてくれる」という口コミで静岡県西部を中心に、認知拡大が進む。現在では、県下全体に販路を拡大。さらに、浜松市のふるさと納税返礼品としても人気が非常に高く、特にコロナ禍以降、売れ行きは好調だ。

ここまで人気を博している理由の一つに、創業以来、原材料や手作りでの製法を変えてない点が挙げられる。赤堀崇社長は「以前、原材料の黒コショウを変えたところ、愛用して下さっているお客さまから『何かが変わった』と連絡があった」と話し、創業から変わらない味がいかに厚く消費者に支持されているのかが伺える。そのため、原材料メーカーが生産を取りやめるなどの例外を除き、原材料は変更する予定はないという。

「野菜村ドレッシング 三ケ日みかん」の製造

さらに特筆すべきは、原材料・資材価格の高騰を受け、他社が相次いで価格改定を行っている中、同社は値上げを一切行っていないことだ。その理由を赤堀社長は「当社が物価高で困っているお客さまのために貢献できること」と話している。

同社の売上げの大半を占める「和風スパイス」は、創業以来、「野菜嫌いの子どもがたくさん野菜を食べてくれるようになった」と、今でも好評を博し続けている主力商品だ。

三ケ日みかんドレッシング

また、通常のドレッシングだけでなく「野菜をスイーツに」をコンセプトにした商品開発も行っている。中でも、「三ケ日みかん」=写真=は天然ミカンの鮮やかな色が特徴。特にサービスエリアなどの土産ルートで好調に推移しており、これからの伸長が期待される商品だ。

今後について、赤堀社長は「流行に関係なく、定着するドレッシングを実直に開発していく。また、価格ではなく、商品そのものの価値で勝負したい」と意気込みを見せる。

◇日本食糧新聞の2023年4月14日号の記事を転載しました。