塩釜でチキンを蒸し焼き!木づちでたたき割る楽しさも
フード&ドリンクを全品500円の均一価格(税抜き)という驚きのコストパフォーマンスで、20代の若者客のハートをがっちりつかんでいる繁盛イタリアン酒場が神奈川・本厚木の「Pizza&Wine BotoRu 本厚木駅前店」だ。安いだけでなく、食べ応えも楽しさも満点、と人気の品が「塩窯焼きチキンステーキ」。
鶏もも肉1枚を丸ごと塩のセメントで包んで薪窯で焼き上げたもので、焼き上がったらそのまま客席に持って行き、客に木づちを渡して塩釜を割ってもらう。このエンタメ度の高い演出も人気の理由で、客がこぞって動画をSNS投稿している。
塩釜焼きそのものは独自性の高い料理では決してなく、伝統的な料理といっていいだろう。しかしながら現代に提供している飲食店があるかといえば、なかなか思い浮かべることができない。低価格な酒場クラスになるとさらに希少だ。その理由は調理に手間がかかるからだ。大量の塩と卵白を混ぜ合わせて塩のセメントを作り、塊肉を包み込まなければいけない。オーブンで蒸し焼きにする時間も含めるとトータル20分近くかかってしまう。
このような「聞いたことはあるものの実際に食べたことがない」料理は、「一度食べてみたかったんだよね」という注文欲求につながりやすいものだ。低価格だからと効率性に逃げることなく、外食の楽しさを伝える姿勢が同店の繁盛を支えているのだ。
●店舗情報
「Pizza&Wine BotoRu 本厚木駅前店」
所在地=神奈川県厚木市2-6-11 コンソラーレ本厚木1階
◇外食レストラン新聞の2022年12月5日号の記事を転載しました。
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