ベトナム中部の都市、フエで親しまれている麺料理「ブン・ボー・フエ」をご存知だろうか。フォーと並ぶベトナムの代表的なライスヌードル料理だが、「ブン・ボー・フエ」は稲庭うどんに近い形状と太さでスルスルと口に入りやすいライスヌードル(ブン)と、牛肉ベースでレモングラスや唐辛子などで甘辛くさわやかに仕上げたスープが特徴だ。

日本ではまだなじみが薄いこの「ブン・ボー・フエ」が、最近にわかに注目を集め始めている。外食ビッグデータ分析サービス「Food Data Bank」の調査結果によると、グルメコミュニティーアプリ「SARAH」における「ブン・ボー・フエ」の投稿が、2021年夏以降、急激な増え方を見せているのだ。

投稿の傾向を探ると、30代女性と50代女性の支持が突出して高く、「辛旨」「さわやか」「パクチー」「牛肉(スープ)」といったキーワードで評価されているという。また、「ブン・ボー・フエ」を販売している店舗での提供価格帯は、800~1100円台が9割。

フォーは女性を中心に安定して人気があるが、ライスヌードルのメニューバリエーションは日本ではまだ少ない。「辛旨」「さわやか」なスープで食感も心地よい「ブン・ボー・フエ」の新提案は、アンテナ感度の高いグルメ好きに響きそうだ。

◇外食レストラン新聞の2022年3月号の記事を転載しました。