「いづも大阪福島」の「そびえる鰻玉丼」は、2021年3月のオープンからわずか1ヵ月ほどでSNSで爆発的に評判が拡散し、今や行列をつくる名物ランチだ。こんもりと盛られたタレの染みたご飯の上に、厚焼き卵とウナギがどかん! その見た目はユーモラスで、インパクトは抜群である。ご飯の上に料理をのせる″オンザライス”スタイルが最近ブームだが、ここまで見事にユーモラスなビジュアルはなかなかない。

ご飯750g、卵は約3個分、そしてウナギの半身を使い、総重量は約1kgに及ぶという。成人男性が満腹になるご飯の分量は平均250g程度だが、「評判を聞いて来店される方が多いので、男性では8割ぐらいが完食。女性で食べきれるお客さまは、やはりかなり少ない」(同店広報)という。

食べきれなかった分は持ち帰ることも可能で、女性客はほぼ全員、残りをテイクアウトするようだ。帰宅後にもう一度楽しめるのもうれしい限りだ。

「ド~ンとそびえる鰻玉丼」 1980円(税込み)

日本昔話のような山盛りご飯の上に厚焼き卵とウナギ焼きをのせるこのビジュアルからすると、盛り付けのバランスが難しそうだが、「のせるご飯の部分を平らにすれば、比較的安定するので、盛り付けはそこまで難しくはない」(同)という。

印象的過ぎる見た目にばかり目を奪われてしまうが、ウナギと厚焼き卵を贅沢に頬張れる丼が2000円以下というリーズナブルな価格も行列の理由だろう。

「いづも大阪福島」で、注目すべき異色のメニューはまだある。

「鰻バター」は、ウナギの串焼きにお客の目の前でバターをふんわりと削ってかけた一品。ウナギの濃い味わいとバターのコクの相性はよく、印象的なおいしさに仕上がっている。同店でしか味わえない悪魔的な魅力だ。

「鰻バター」 385円(税込み)バターで悪魔的魅力アップ

一方、「生ニラ玉」も要注目。卵でとじるニラ玉はおなじみだが、生卵をのせるタイプは珍しい。もとは滋養強壮メニューとして考案され、箸休めとして人気という。しっかりめの味付けをしたニラのおひたしに卵黄を添えるという、何てことのない一品だが、シンプルなアレンジの発想が光る。

「生ニラ玉」 429円(税込み)生卵のちょっぴりアレンジも◎

●店舗情報
「いづも大阪福島」
所在地=大阪市福島区福島5-12-20

◇外食レストラン新聞の2022年2月7日号の記事を転載しました。