「おやつラボ」は、おやつづくり担当のマスター(夫)と、動画編集やSNSなどの投稿を担当するゆりぼー(妻)の夫婦ユニットです。YouTubeチャンネル「Oyatsu Lab.」や、レシピサイト「Nadia」に投稿されている簡単でおいしいお菓子レシピは、見ているだけで幸せになります。SNSの総フォロワー数25万人を超える話題の2人に、秋野菜を使ったオススメのお菓子、上手につくるコツを教えていただきました。

いつも心がけているのは相手の喜ぶ顔を想像してつくること

マスター 僕がお菓子をはじめてつくったのは、小学3年生の時。母の日にお菓子をプレゼントしたいと思い、父にお菓子づくりの本を買ってもらいました。実は、その本、いまでも持っているんです(笑)。最初のページに載っていた「はちみつのクッキー」をつくったのですが、それなりに上手くできましたね。

その後、いろいろなお菓子をつくるようになったのですが、中でも一番こだわったのがショートケーキ。ケーキ屋さんに並ぶ、ふわふわのスポンジケーキを目指していたのに、何度つくっても思い通りにいかないんです。毎週のようにつくっていたら、オーブンレンジが壊れてしまったり(苦笑)。5年近く試行錯誤して、ようやく納得のいくスポンジケーキができました。

社会人になり、一時お菓子づくりから離れていたものの、子どもが生まれるのを機に再開。妻の出産後、退院祝いにつくったのが「ぶどうとヨーグルトムースのケーキ」です。記念にと思い動画で撮影し、YouTubeに投稿したのをきっかけに「おやつラボ」としての活動をスタートしました。

お菓子づくりで失敗しないコツは、最初にレシピをよく読んで、イメージをしておくことです。慣れるまでは、レシピに忠実につくることも大事。お菓子って、自分で食べたいからというよりも、特別な日に、大切な人のためにつくることが多くありませんか? だから、贈る相手の好みを考えたり、喜んでいる顔を想像してつくることも大切かなと思います。

わが家の定番シチューには大根やれんこんなどの根菜がたっぷり

マスター いまの季節、野菜を使ったお菓子なら、レシピ本にも掲載している「大学いも」がオススメです。大学いもは、おかずとして食べる方もいるので、お菓子づくりが苦手な人でもつくりやすいかなと。コツは、冷たい油の中にさつまいもを入れて、弱めの中火でじっくり揚げること。そうすると、中まで火が入り、さつまいもの甘みが最大限に引き出せるんです。じゃがいもも同じようにして揚げると、ホクホクのフライドポテトに。じゃがいも好きな妻も、お気に入りの一品です。

かぼちゃもお菓子には合いますね。僕がつくる「かぼちゃのベイクドチーズケーキ」は、材料を全部ミキサーで混ぜてから、オーブンで焼くだけなので、それほどハードルは高くないかなと思います。

ゆりぼー 子どもも夫も牛乳が好きで、牛乳をたくさん買うこともあり、わが家では寒くなると、シチューが定番。大根やれんこんなどの根菜類を入れると、すごくおいしくなります。また、せん切りにした根菜をたっぷり入れたしゃぶしゃぶ鍋もよくつくります。根菜を肉で巻いて、ポン酢やごまだれにつけて食べるのが好きですね。

お菓子をつくっている雰囲気も楽しんでもらえるような動画に

ゆりぼー 夫は、お菓子づくりが大好きな一児の父。日曜大工ではなく、「日曜おやつ」をつくっている感じです。道具や材料にこだわるようになっても決して否定せず、夫が探求したいことには口を挟まないようにしています。それで、おいしいお菓子が食べられるならいいかなって(笑)。

「おやつラボ」の活動をするまで、動画やSNSなどの知識は全くなく、最初は1日かけて5分の動画をつくっていたほど。2年近く経って、ようやく慣れてきました。料理動画の多くは、調理をしているシーンがメインだと思うのですが、「おやつラボ」の動画では、つくっている雰囲気も楽しんでもらえたらと思い、あえて調味料を加えたり、粉を量るシーンも入れています。

マスター ケーキ屋さんに行くと、おいしそうなパンも見かけるので、今後はパンにも挑戦しようと思っています。実は明日、子どもの2歳の誕生日。妻と子どもの喜ぶ顔を思い浮かべながら、スフレチーズケーキをつくる予定です。

プロフィル
おやつづくり担当のマスター(夫)と、YouTube用の動画編集やInstagramなどの投稿を担当するゆりぼー(妻)の夫婦ユニット。2019年、YouTubeチャンネル「Oyatsu Lab.」を開始。レシピサイト「Nadia」にも投稿を始め一躍話題に。YouTubeのチャンネル登録者数は10万人、Instagramのフォロワー数は16万人を超える(2021年9月現在)。初の著書『おやつラボ お菓子のきほん』(宝島社)を9月に発売。

『おやつラボ お菓子のきほん』 
おやつラボ著/宝島社 定価1000円(税込)
15分でできる簡単なお菓子から、じっくり時間をかけてつくる特別な日のケーキまで全82レシピを掲載。さつまいもやみかんなど、秋冬においしい野菜や果物を使ったレシピも登場。

◇日本食糧新聞の2021年10月1日号の記事を転載しました。