淡路島牛乳は、モーツァルトの音楽を聴かせて飼育した乳牛から搾った「モーツァルト牛乳」=写真=を4月から販売している。「モーツァルトの音楽のように、人々を魅了する牛乳へ」をコンセプトに、特別な牛乳に魅力を感じる人やこだわりがある人をターゲットに、淡路島近郊の産直市場や小売店で販売。ストレスのない健康な乳牛による同牛乳は、鮮度抜群で深いコクが感じられ、ほんのり甘く優しい口当たりだ。

同牛乳の開発は、モーツァルトの曲を人に聴かせる音楽療法からヒントを得て、人間より聴力がよい乳牛に聴かせたのがきっかけ。モーツァルトの音楽は「1/fゆらぎ」で進行する曲が多く、アルファ波を発生させる癒やし効果を持つと知られている。曲を聴かせた乳牛は、穏やかで人懐っこくなるなどリラックスした様子を見せるという。

「モーツァルト牛乳」 税込み324円

午前6時~午後8時30分まで曲を聴かせて搾乳する酪農家のグリーンファームは、1月に開催した「淡路農林水産祭 乳質改善の部」で、議長賞金賞を受賞。搾乳量も以前よりアップし、乳成分も高くなる手応えを得ている。同ファームは自前の牧草や濃厚飼料ほか、飼育環境にもこだわり、直近では乳脂肪分4.2%、無脂乳固形分8.8%となった。

またパッケージデザインに、書家「つ花セん」氏による“ゆらぎ”をイメージした文字に、モーツァルトの代表曲「ホルン協奏曲第一番」の小節をあしらい、衣装をほうふつとさせる色を採用した。

同社は「高品質な牛乳に文化の薫りを乗せた。コロナ禍に癒やしを届けたい」とし、商品価値を理解し、安売りしない京阪神のアッパー小売店への販路拡大も目指す。1000ml、税込み324円。

◇日本食糧新聞の2021年4月9日号の記事を転載しました。