日本生活協同組合連合会は「CO・OPアボカドスライス」「CO・OPアボカド(ダイスカット)」を9月から発売した。各生協からの注文が予定よりも多く、それぞれ出荷見込み量として1年分で25tずつを予定していたが、ダイスカットが3ヵ月でなくなる見込み。宅配を中心に静かに存在感を示している。

アボカドは不飽和脂肪酸が含まれていてサラダなどにも活用でき、生鮮で輸入され生協の店舗でも売れている。だが、皮むき・種取・食べごろの判断といった手間があり、少しだけ使用して別の日の料理に使うことも難しかった。

「CO・OPアボカドスライス」「CO・OPアボカド(ダイスカット)」は熟度管理を行い、食べごろのアボカドをカット加工し冷凍した。自然解凍(室温20度Cで30~40分)で、アボカドをいつでも必要な量だけ使うことができる。

工場では、アボカドの熟度を手触りで選別し、未熟なものを追熟させてから加工している。「CO・OPアボカドスライス」は、薄切りカットして、サンドイッチやサラダの具に使え、「CO・OPアボカド(ダイスカット)」はサイコロ形状にカット、サラダや丼ものへのトッピングに使える。生鮮のアボカド約1個分の150gの内容量で、アイデア次第で自由にアレンジできる。

日本生協連の凍菜グループは「家庭での手間を省いた商品の開発」を方針の一つにしていて、組合員である消費者の調理の時短につなげる。

冷凍アボカドの商品開発に向けては、2014年から市場調査と工場探しを始めた。市場調査の結果、市場で売られている業務用では「色を維持するための添加物で若干の酸味を感じる」点が明確になり、より多くの組合員に利用されるためには改良が不可欠と判断。

業務用でもビタミンCとクエン酸を使っているが、日本生協連は配合のバランスを調整して改良した。工場は摘果してすぐに冷凍に回せる立地条件が重要として、アボカドの生産量世界3位のペルーに着目、日本生協連の基準に適合できる農場の管理、工場の衛生管理、質・量に応えられる工場を探し当てた。

16年にようやく生産のめどが立った。アボカドは年に一度しか収穫できないため、商品化に4年かかった。

日本生協連は時短商品となり得る凍菜に力をいれる。地域の生協は宅配事業で扱う商品の種類を増やす傾向にあり、少量しか生産できなくても組合員の要望に応えられる場合もあるという。

◇日本食糧新聞の2018年10月17日号の記事を転載しました。