フランス北西部ノルマンディー地方在住のトラベルコーディネーター小川裕子です。日の入りが22時近くまで延び、初夏の清々しい気候になってきました。以前ご紹介した「ノルマンディーのスイス地区- Suisse Normande」では、美しいオルヌ川渓谷でボートを楽しむ方やパラシュートで空中散歩を楽しむ方など観光客が多くいらっしゃっています。
今回はオルヌ川沿いでチャーミングなシャンブルドット(B&B)Le Moulin du Vey (ル・ムーラン・デュ・ヴェ)を経営されているVirginieさんに、お客様に人気のあるノルマンディーの郷土料理のお話をうかがってきました。

クリームをベースにした料理が名産のノルマンディー

前回の記事はこちら
トロトロのカマンベール焼き!ノルマンディーのバーベキューでの楽しみ方

シャンブルドット ©Le Moulin du Vey

11世紀に、この地方の領主の住まいであったこちらの邸宅は、時代の変化と共にホテル―レストランへ。そして2012年からVirginieさんが経営するシャンブルドット「Le Moulin du Vey ムーラン デュ・ヴェ」となりました。

窓を開ければ鳥のさえずりと川のせせらぎが聞こえます。1.6ヘクタールの敷地には、パーティーも可能な多目的ホールや綺麗に手入れをされたお庭が広がっています。

川沿いからの眺め ©Le Moulin du Vey

Virginieさんのシャンブルドットで人気メニューは、「Aiguillettes de poulet à la crème 鶏肉のクリーム煮 ノルマンディー風」。こちらはノルマンディーの家庭料理でもあります。酪農が盛んなノルマンディーではクリームソースをベースにしたお料理が多く、基本ソースは「クリーム」といっても過言ではありません。

今回はレシピも教えて頂いてきたのでご紹介します。

鶏肉のクリーム煮 ノルマンディー風

©Le Moulin du Vey

<材料 2名分>
鶏肉 250g~300g
玉ねぎ 半分
生クリーム 100cc ~200cc (お好みの量で)
カルバドス 小さじ2杯
塩、こしょう、サラダ油
パセリ(盛り付け時の飾りつけに)
付け合わせにお好みのお野菜を!

材料の中の「生クリーム」とは、ノルマンディーの家庭でよく使われる「クレーム・エペスcrème épaisse」です。ドロっとしたヨーグルトのような感じの生クリームが使われます。

クレーム・エペス crème épaisse

こちらの「クレーム・エペスcrème épaisse」は 濃厚で豊かなコクと酸味があります。今回のレシピでは、「(日本で良く手に入る)液状のクリームでも大丈夫ですよ。100cc~200ccの間で お好みで調節してください」とのことでした。

<作り方>

  1. 鶏肉は塩・コショウをしておく
  2. みじん切りした玉ねぎをじっくり炒める
  3. お肉を加え、焦げ目がつかない程度に炒める
  4. カルバドス酒を加えて鶏肉をフランベし、一度鶏肉を皿へ移しておく
  5. 生クリームを火にかけ、鶏肉を加えてよく絡ませる
  6. お皿に盛り付け

お好みの野菜を付け合わせして召し上がれ。 Virginieさんはジャガイモのピューレを付け合わせにしています。

カルバドス酒が隠し味

Virginieさんに「カルバドス酒(りんごのブランデー)でフランベすると、りんごの香りと鶏肉の旨味が合わさって美味しくなるよ」と事前に教えて頂きました。口の中に広がる、ほのかなりんごの香りと鶏肉のハーモニー、とても美味しかったです。

カルバドス酒でフランベしている様子 ©Le Moulin du Vey

ノルマンディーの家庭料理が味わえるVirginieさんのシャンブルドットは、川沿いの素晴らしい景色に魅了される方も多く、夏は結婚式もよく行われています。また自然豊かな景色に滞在しながら絵を描く方や敷地スペースを利用してお庭でヨガをされる方もいます。

とても気さくなマダムなのでいろいろなタイプの滞在をご提供して下さいますよ。豊かな自然に癒され、家庭料理を楽しみたい方にはお勧めのスポットです。

<Le Moulin du Vey>
住所:72, Route de Saint-Laurent 14570 Le Vey Mme Virginie LAOUENAN
電話: 02.31.69.27.45
メール:contact@moulinduvey.fr