日清オイリオグループはこのほど、食物アレルギーに関する実態調査を実施、結果内容を公表した。12年度から食育活動の一環として実施しているもので、約7割が食物アレルギー対応の離乳食づくりに悩みを持つなど日々の食事づくりに悩んでいることが明らかになった。調査は食物アレルギー疾患と診断されている離乳食期の乳幼児を持つ母親(以下、母親)100人を対象に、16年12月27日から17年1月5日の間、インターネットで実施した。

食物アレルギー対応をしていると便利だと思う食品は?

調査では母親の約7割が、食物アレルギー対応の食事づくりで悩むことがあると回答。悩んでいることについて8割以上が「食材や献立が偏る」と回答し、次いで「外出時の食事対応」「栄養が不足するのではないか」が上位に挙がっている。また、約7割が食物アレルギー診断前から発症を心配しており、最も心配していた食品について7割以上が「卵」と回答している。

さらに、食物アレルギー発症を心配した母親の3割以上が妊娠中・授乳中に自身の食事で特定食品を除去している。診断前から食物アレルギー発症を心配していた母親のうち、「妊娠中や授乳中に自身の食事において特定の食品を食べないようにしていた」と回答したのは35.8%に。

離乳食以降の食事づくりにおいて、食物アレルギー対応をしていると便利だと思う食品について質問したところ、「パン、パスタやお米」「調味料」が上位となり、毎日食べる主食や調味料へのニーズが高いことが分かった。なお、有事に備え、食物アレルギー対応食品などの備蓄を行っていると回答した母親は約4割にとどまっている。

これらの調査結果に対し、神奈川県立こども医療センター地域連携・家族支援局長・アレルギー科部長の栗原和幸氏は、「食物アレルギーがあると、誤食や急激に現れる症状が心配になる。食品のアレルギー表示を正しく理解し、細かくチェックすることが必要だ。

調査によると、偏りや栄養不足を心配する方がいたが、さまざまな食材を取り入れていくことで栄養を補うことができる。また卵を使っていないマヨネーズなどアレルギー症状の原因物質を使用していない食品も多数ある。医師に相談の上、市販の加工食品を活用することは、献立の偏りや栄養バランス、外出時の食事などの悩みを軽減する助けとなるだろう」とコメントしている。

◇日本食糧新聞の2017年3月1日号の記事を転載しました。