昨年、一大ブームを巻き起こしたフルーツサンドをさらにバージョンアップした商品が登場した。2021年5月に開業した「恋するオープンサンド」のオープンサンドは、とにかく芸術的。サンドイッチの断面からフルーツをのぞかせる従来のフルーツサンドに対し、同店の商品は食パンにケーキのごとくフルーツを華やかに並べて全面的に魅せる「はさまないフルーツサンド」である。

美しすぎるその見た目はもちろん、あんこ、生クリーム、兵庫県産フルーツを組み合わせた爽やかで後味のよい甘さが絶妙で、開業直後からインスタグラマーらがSNS上で続々とアップし、瞬く間に人気が過熱した。その注目度の高さから、催事などの出店の問い合わせも相次ぎ、現在までに数多くのイベントに出店している。

季節のフルーツを多彩に使った「季節の果実のフルーツMIX」(1個560円・税込み)など6種類(季節によって内容は異なる)。2個セットの「両想い」(960円~)と「一目惚れ」(480円~)がある

商品は「季節の果実のフルーツMIX」(1個560円)のほか6種類あり、絵柄がセットになった「両想い」(2個)か「一目惚れ」(1個)で購入する。甘酸っぱいネーミングながら、老若男女問わずあらゆる層に評判で、ご褒美スイーツとして買い求める例が多いという。

2021年7月に限定販売していた「恋する桃のオープンサンド」

同店を運営する情熱ダイニングは神戸で居酒屋やカフェなどをドミナント展開し、地元農家やJA六甲とのコラボ事業も積極的に手掛けている。新型コロナの影響で苦境に立たされている生産者の支援につなげたい、とオープンサンドを考案した。見た目の美しさこそが同品のキモであることから、かつて某有名ホテルの料理長を務めていたシェフが細かな部分までデザインを決め、フルーツを並べるのもシェフとアシスタントが専属で担当。

食パンに、松原製餡所(神戸市)のあんこ、六甲山麓牛乳入りの特製クリーム、兵庫県産フルーツを重ねている

毎朝200~300個をすべて手作業で作っており、その日にほぼ完売するという。同社の広報は、「今後はデパ地下のテナント出店を目指しており、ゆくゆくは『神戸の名物スイーツ』の代名詞となるまでに育てたい」と展望を語っている。

●店舗情報
「恋するオープンサンド」
所在地=神戸市中央区北長狭通2-30-43 ピアザ神戸2
※ネットでも購入可能

◇外食レストラン新聞の2022年1月号の記事を転載しました。