スマホでも美味しそうな料理写真が撮りたい!心を込めて作ったお料理を写真に残したり、オリジナルのレシピを写真と共にアップしたりする際に、素敵に見えるスマホ料理写真のコツとポイントを連載しています。第5回目は料理の周りに配置する小物などの組み合わせで美味しそうに見せる、フードスタイリングについてご紹介します。

フードスタイリングを意識しよう

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【スマホ料理撮影術】構図をタテに変えて撮ってみよう!おいしそうに見せるコツをプロが伝授

料理写真では、背景に置く小物や下に敷くマットなど映り込むものによって、料理の雰囲気や印象が変わったり、意図するイメージが思い浮かびやすくなったりします。フードスタイリングは、料理に合わせて食器や小物の組み合わせを考え、より美味しそうに見せること!

心を込めて作ったお料理をより美味しく見せるフードスタイリングのコツを抑えて、スマホ写真でも素敵な1枚に仕上げましょう。

<NG例>ポツンと料理が1つだけ…

上の写真は先日ご紹介した缶詰活用の白菜とツナの煮物ですが、食器に盛り付けた1品がポツンとテーブルに置いてある状態です。

盛り付けも雑ですし中華風にも和風にも見えるなど、写真から伝わる情報が少なく、この1枚ではなかなか美味しそう!が引き出しにくいためNG写真としました。

<プロの技>食器やお箸で和のイメージに!

今回のメニューは、ほっこりした味わいの体が温まる和食の1品です。甘辛い味付けの炒め煮や出汁のきいた煮物など和食のメニューには、ご飯が進むものが多いですね。

そこで写真撮影の際には、後ろにお箸をセットしご飯が入ったお茶碗を少し写り込ませて、煮物と同系色の木製トレイを下に敷きスタイリングしました。

和風な色合いと和食器に入った白ご飯、お箸を写り込ませることで和食であることや、甘辛い味付けでご飯が進むメニュー!ということがこの1枚で、伝わりやすくなったのではないでしょうか。

<NG例>見た目では料理が分かりにくい…

見た目だけでは、どんな食材を使っているのか、どんな味付けなのか、など分かりづらいメニューもたくさんあります。上の写真は、素朴な味わいのじゃがいものポタージュなのですが、この1枚では白いスープということしか情報がない状態です。

ミルク系のものですが、白っぽいポタージュならカブでも同じような色味になるため、どんな具材のスープなのか一目で判断が難しいですよね。

<プロの技>食材を添えてみる!

料理写真でよく見られるスタイリング例ですが、上の写真のように使用する食材を添えて撮影すると、じゃがいものポタージュということが一目で分かります。

タマネギも添えることで炒めたタマネギとじゃがいもを煮込んでいることも伝わりますし、根菜の素朴で優しい甘みのスープメニュー!というイメージも膨らみやすくなります。

じゃがいもやタマネギのほか、トマトやピーマンなど小さな形の野菜は、写真に写り込ませることで全体の彩りがアップして料理をうまく引き立ててくれる効果もあるので、おすすめです。

形のキレイなもの、傷や汚れのないものを選びましょう。

<NG例>季節感が伝わらない…

最後は、旬の食材を使った料理や季節行事におすすめのメニューを紹介する際のスマホ料理写真です。

上の写真は、節分の恵方巻きをご紹介する巻き寿司ですが、最初の白菜とツナの煮物と同様にテーブルに料理がポツンとある状態なため、巻き寿司ということしか伝わりません。

<プロの技>小物や下地をスタイリング

スマホで撮影したものが上の1枚です。こちらの写真なら巻き寿司の中でも節分に丸かぶりする「恵方巻き」であること、季節行事のメニューの紹介であること、などが一目でパッと伝わります。

節分といえば鬼のお面や福豆、そして鬼の色から連想される赤色などが共通したイメージであります。

そこでスタイリングは、赤いマットを敷いて巻き寿司の周りに節分の小物を一緒に並べて配置しました。写真を撮る際に写り込む部分を調整するので、テーブル1面にクロスを敷かなくても大丈夫です!

また巻き寿司の場合は、1つカットして断面を見せることで具材のイメージがつきやすくなります。

スタイリングでスマホでも料理をおいしそうにみせる!

スマホでもスタイリングによって料理のイメージが膨らみ、より魅力的に見せることができるコツとアイデアをご紹介しました。

テーブルクロスを敷いたり立派なお花を並べたりしなくても、ちょっとした工夫と食べるシーンを想像しながら少し意識して小物を添えるだけで、スマホ写真でも大丈夫!素敵な料理写真が撮れるようになりますよ。

5回のシリーズでご紹介しましたスマホ写真のコツをぜひ活用して、料理をもっと美味しく見せましょう。