「毎日の献立」、どう組み立てていますか? 毎食バランスよく作ることができたら理想的ですが、限られた時間の中で食材を調達し、昨日とは違うメニューを見つけ出し、家族ウケもよく栄養もたっぷりな献立を作り続けるのは本当に大変なことだと思います。
今回はそんな忙しい毎日に役立つ「ひたしもの」レシピを紹介します。さまざまな食材に応用することができるので材料を探し回る必要もなく、作業時間も10分程度。スーパーで旬の野菜を手にしておけば、おいしく栄養価も高い一品を作ることができます。ぜひお試しください。

これさえあれば、ひたすだけ!基本の味付けつゆ2選

旬のお野菜は、シンプルにゆでて、ゆでたてをいただくだけで十分ごちそうになるものですが、主婦としてはできるだけ多くのお野菜を、できるだけ一気に仕上げて、数日常備できたら心強いもの。ここでは揚げたり焼いたりゆでたりした食材をひたすだけで完成するレシピをご紹介します。

「ひたしもの」は便利なだけでなく、日が経つにつれ味がなじんで味わい深くなるという嬉しい点も。まずは、我が家で重宝している基本の味付けを2つお伝えします。さまざまな「ひたしもの」の基本となる味付けですので、その日の献立や気分に合わせて希釈して活用ください。

だし醤油のレシピ

【材料】
みりん 1カップ
醤油 1カップ
鰹節 20g

【作り方】

  1. 鍋にみりんを入れて煮切る。
  2. 醤油、鰹節を加えてひと煮立ちさせたら火を止め、そのまましっかり冷まし、濾す。

万能白つゆのレシピ

【材料】
みりん 1/2カップ
酒 1と1/2カップ
にんにく 1かけ
鰹節 20g
塩 小さじ2
砂糖 小さじ1
米酢 大さじ1

【作り方】

  1. みりん、酒、芯を除いてつぶしたにんにくを鍋に入れて煮切る。
  2. 鰹節、塩、砂糖を加えてひと煮立ちさせ、火を止めてそのまま冷ます。
  3. 米酢を加えて濾す。

削り節がない場合は顆粒粉末を使ったり、削り節を昆布に変えてみたりとアレンジが可能です。味付けを作る時間がない場合は、市販のめんつゆや白だしを使うことももちろん可能ですが、一度手作りをしてみると、思いのほか簡単なことに驚くかもしれません。手作りすれば好みの味わいに微調整することも可能ですので、ぜひ一度お試しください。

さぁ、いよいよ食材を調理してみましょう。ここでは、揚げる、焼く、ゆでる、の3つに分けて、それぞれの調理法に向いている食材とおいしく仕上げるポイントをお伝えしたいと思います。

揚げてから浸すとおいしい野菜は

揚げてから浸すとおいしいおすすめの食材は、なす、いんげん、アスパラ、ズッキーニ、かぼちゃ、れんこんです。食材は食べやすい大きさに切り、水分をしっかりと切ります。

<ポイント1>油の量は、深めの安定したフライパンに1.5cm程度の高さ

多めの油で揚げるとおいしいと聞きますが、家庭でたくさんの油を一度に使うのは大変ですし、できるだけ新しい油を常に使いたいのでこうしています。

<ポイント2>油の温度は、中温程度

油全体を菜箸でひとまぜし、火の回り方を均一にした後、温度を確かめます。菜箸の先を入れてぷくぷくと小さな空気が泡になってつく程度が失敗なく扱いやすいように思います。

高温でさっと揚げるとお店のような仕上がりになるのかもしれませんが、他の料理を作りながらバタバタと作っているとつい焦がしてしまったり、調理している間に温度を上げすぎてしまったりして「二度と揚げ物なんかするものか」と思うので(笑)

我が家では中温程度(170度前後)で作っています。ちょうど火が通るころに油の温度がほどよく上がり、からっと仕上がることが多いのもおすすめする理由のひとつです。

<ポイント3>一度にたくさん揚げないこと

手早く済ませたいからといって一度にたくさんの量を揚げようとすると油の温度が下がってしまいます。かえって時間がかかってしまい、仕上がりがべたついたり、ムラができたり。楽をしたいところですが、ここだけは我慢です。

<ポイント4>揚げ時間は色味をチェック

かぼちゃなどの根菜類は少し時間がかかるので、複数の食材を扱う場合は一番初めにとりかかると良いでしょう。「少し温度が低いかな」というくらいの温度で作り始め、おいしそうな色味になったら取り出します。

他の食材も、揚げ始めて「おいしそうな色合い」になったときにはだいたいちょうどよく火が通っています。切り方にもよりますが、根菜は2分弱、その他の野菜は1分弱くらいが目安でしょうか。ちらちらと色合いの変化をチェックしながら取り出してください。

根菜以外のお野菜は、多少揚げ足りなくてもそれはそれでおいしいですし、揚げすぎて焦げ目があってもそれはそれでおいしいので、まずはあまり難しく考えずにトライしてみてください。

<ポイント5>熱いうちに浸しましょう

食材を揚げたら油を切り、熱いうちに浸しましょう。熱いうちに浸すことで味なじみが良くなります。

焼いてから浸すとおいしい野菜は

焼いて香ばしく焦げ目をつけると一層おいしくなるおすすめの食材は、ししとうとピーマンです。思い切った方法かもしれませんが、フライパンにサラダ油を熱し、ししとうは丸ごと、ピーマンは縦半分に切って種ごと入れてしまいます。

動かすとフライパンの温度が下がってしまうので、焼き色がつくまでそのままにしておき、焦げ目がつくくらいまで焼けたら裏返し、その作業を繰り返して全体を焼き付けます。くたっとなるまで焼き上げたら、熱いうちにすぐひたしましょう。

ピーマンはしっかりと焼き付ければ種もとろりとやわらかくなりおいしく食べられます。種を食べることに抵抗がある場合は、取り除いてから焼いてください。

ゆでてから浸すとおいしい野菜は

ゆでてから浸すとおいしいおすすめの食材は、オクラや小松菜などの青菜です。オクラはがくを取り、青菜は葉と茎に分け、さっとゆでてひたします。刻んだ油揚げなどを一緒にひたすのもおすすめです。

ザルに刻んだ油揚げを広げておき、そこへゆで上げた食材を湯ごと流し込むと、油抜きもできるので、どうしようもなく急いでいるときにはそんなふうにしています。緑の色合いをきれいに出したい場合は、濃口醤油ではなく薄口醤油を使うと良いでしょう。

「ひたしもの」のアレンジアイデア

最後に、常備した「ひたしもの」を飽きずに活用するアレンジアイデアをご紹介します。

大根おろしをのせておろし和えに

保存して数日が経ち、ちょうど飽き始める頃になると食材に味がなじんで濃くなります。食べる直前に水気を切った大根おろしをのせて、おろし和えにするとさっぱりと違った味わいで楽しむことができます。

麺類のつけあわせに

素麺やうどんなど、麺類の付け合わせにするのもおすすめです。

揚げた肉や魚と一緒に

甘口鮭や豚肉、鶏もも肉に薄く片栗粉をまぶして揚げ、ひたしものに加えると立派なメイン料理になります。

まとめ

いかがでしたか。手元にある食材でいつでも気軽に始められる「ひたしもの」。栄養価が高く値段も安い旬のお野菜を手軽においしく食べられるうえ、あらゆるお料理に活用でき、数日常備もできる、魅力的な料理です。ひたすレシピを味方につけて、毎日のお料理に活用してみてください。