秋田県秋田市在住のたべぷろ編集部員・山下雄二です。6月15日は生姜の日です。今回取り上げるのは紅ショウガの天ぷらです。紅ショウガと言えば、牛丼や焼きそばの味を引き立てるわき役ですよね。しかし、大阪を中心とする関西地方では紅ショウガを天ぷらとしても食べるのだそうです。

紅ショウガの天ぷらは、関西では常識!

秋田在住の私は、思わず驚きました。しかも、ネットで調べてみると千切りではなく薄切りになった紅ショウガが天ぷらになって売られているのです。さらにはメニューとして採用する居酒屋もあるようです。

この紅ショウガの天ぷらは大阪の合理性が生み出したものかもしれません。そもそも、紅ショウガはシソを漬け込んだ梅酢を再利用した結果生まれました、さらにそれを揚げてみたのが江戸時代なのです。

紅ショウガの天ぷらを作ってみました

さて、紅ショウガの天ぷらは秋田県民の私としては本当においしいのかどうか疑問です。少なくとも、売っていたからと言ってわざわざ買うことはないと思います。しかし、偏見や食わず嫌いはいけません。ちゃんと作って、この舌で味わってみようじゃありませんか!

と、いうわけでまずは紅ショウガ探しです。そもそも、塊の紅ショウガなんてどこに売っているのかな...と思ったら近くのスーパーで手に入りました。3個入りで100円ほどです。まな板に出してみると、こんな感じです。

紅ショウガの天ぷらは薄切りにします。ネット上では千切りの紅ショウガをかき揚げにしたものも載っていますが、せっかくなので塊を使いました。

薄切りにした紅ショウガに衣をつけていきます、天ぷらの衣は卵の代わりにマヨネーズを使ってみました。その方がカラッと揚がるみたいです。

紅ショウガを揚げていきます。油を節約するためにフライパンを傾けています。わざわざ持っているのは疲れます。

揚げたてはこんな感じです。最初の方はちょっと揚げた時間が足りなかったかもしれません…

期待以上に食べやすい!初心者は二度揚げしたほうが良いかも

さあ紅ショウガの天ぷらができました。衣が厚く見えるものは「紅ショウガが強かったらどうしよう…」という不安もあったので、二度揚げしています。

そのまま食べて、さらにソースやマヨネーズをつけて食べてみました。断面図はこんな感じです。

「紅ショウガの天ぷらなんて、絶対に美味しくない」と思っていました。ところが、意外と食べやすく、紅ショウガの風味も美味しく感じられました。

味は、紅ショウガを揚げたものなので予想通りだと思います。しかし、加熱されて柔らかくなったことや衣をまとったことで、マイルドになっているのです。不思議なくらい箸が進み、お皿一杯の紅ショウガを美味しく食べることができました。

個人的には、そのまま食べるだけでは紅ショウガの風味を強く感じました。そのため、衣は厚めにつけて、マヨネーズをかけて食べるとちょうど良かったです。衣にマヨネーズを使ったことも食べやすくなった理由かもしれません。

ちなみに、なぜ6月15日は、生姜の日なのでしょうか?永谷園が申請したのは2009年ですが、その由来は奈良時代までさかのぼります。今は石川県である加賀の国は干ばつに悩んでいました。そこで、「はじかみ神社」へ行って雨乞いをしたのです。その結果、民は救われお礼に何かお供えしようと考えました。良いものがないかと悩む中、選ばれたのが生姜だったのです。以来、毎年6月15日には「はじかみ大祭」が行われています。