お肉も野菜も食べ放題の店が増えてすっかり定着した感のある「しゃぶしゃぶ食べ放題店」。これまで「みんなで仲良く鍋を囲む」ことが食の楽しみ方だったが、そこに「1人1鍋スタイル」を打ち出して新たなニーズの掘り起こしに成功しているのが神奈川・武蔵小杉の「しゃぶしゃぶ れたす」武蔵小杉店だ。

60種類が食べ放題

「お客さまがしゃぶしゃぶ食べ放題を利用しない理由は何だろう? そう考えるところから1人1鍋のスタイルが生まれました」とダイニングイノベーションしゃぶしゃぶれたす事業の根岸哲也マネージャーは語る。

「毎日のように顔を合わせている仲間であっても同じ鍋を他人と共有することに抵抗がある」「好きな味のだしで食べられないし、料理を取り分けてあげるなど気を使わないといけない」、はたまた「一人だと行きづらい」など、そうした機会損失の要因を解消する手段が「1人1鍋スタイル」だったわけだ。

黒牛と熟成豚のコース 3,200円(税抜き)

席ごとにIHコンロがビルトインされていて鍋はもちろん1人前サイズ、お肉も1人前で提供される。メニューはディナーでは肉2種の「黒牛と熟成豚のコース」(3200円)、肉3種の熟成牛タンのコース(3800円)などの四つを用意。

最初の1皿目は全種類が提供されるが、お替わりでは好みの肉の単品注文が可能。野菜や前菜などの単品を含めて60種類が食べ放題だ。

食べ放題に付いてくる野菜は30種前後。季節の野菜を中心に仕入れ、約半分を農家からの直接仕入れるなど品質強化に注力。しゃぶしゃぶ店ながらおいしい野菜がたっぷり食べられる店としても好評だ

大人と子どもで別々の味を楽しめる

鍋に入れる「だし」は「極み和出汁」や「クリーミー豆乳だし」など8種類。

「これまでお子さま連れで来店されるお客さまは、お子さまの味覚を基準にベーシックなだしを注文せざるを得なかったわけです。別々に注文が可能になったことで、薬膳コラーゲン出汁や薬膳麻辣火鍋といったクセのあるだしでも食べられると、親御さんに喜ばれています」と根岸さん。子ども客もちょっとした調理が楽しめることから「食育にもなる」という声もあるそうだ。

つけダレや香辛料は29種類とバリエーション豊富。生搾りポン酢はベースのポン酢に旬の柑橘を搾って仕上げている。またトリュフオイルなど個性的な調味料を揃えている点も見逃せない

18時ごろの早い時間帯は子連れファミリー、19時以降はデートやグループの飲み会、食事会といった具合に、時間帯ごとに異なる利用動機に対応できる懐の深さも1人1鍋スタイルの強みだろう。

またカウンター席も用意してあり一人で利用する客も増加中だ。「時代の趨勢(すうせい)としてお一人さまニーズは今後も増えていくことは間違いありません。そうしたニーズにも適応できている点が当店の強みでもあります」と根岸さんは語る。

「しゃぶしゃぶ れたす」は、今回取材した武蔵小杉店の他、首都圏と北海道で4店を展開。今後も多店化を進めていく意向だ。

テーブル席の他にカウンター席もあり一人客も利用しやすい。カウンターには採れたての野菜が飾られてヘルシーな印象を受ける。カウンター奥に野菜セットが保存されているが常時ミストが吹き出しており、みずみずしさを保っている

●店舗情報
「しゃぶしゃぶ れたす 武蔵小杉店」
経営=ダイニングイノベーション
店舗所在地=川崎市中原区小杉町3-441-29 KAHALA小杉駅前ビル2階
開業=2018年10月
坪数・席数=30坪・49席
営業時間=11時30分~15時、17時~23時30分(土・日・祝は通し営業)。無休
平均客単価=昼1000円、夜3500円
1日平均集客数=100人

◇外食レストラン新聞の2019年3月4日号の記事を転載しました。