ステーキ丼を注文したはずなのに出てきた丼の中にはグリーンサラダがどっさり。思わず「サラダは注文していませんよ」と言ってしまいたくなるが、これがれっきとしたステーキ丼。サラダをかき分けていくと奥から香ばしく焼き上げられたヒレステーキが現れるという仕掛けになっているのだ。

「最初に野菜を食べてから肉やごはんに進むことで、血糖値が急上昇するのを抑えることができるなど健康面にいい効果があると言われています。ヘルシーな食事法の考え方そのままを形にしたわけです」とオーナーシェフの杉野山之介さんは語る。

提供直後のステーキ丼。サラダに隠れてステーキが見えない

杉野シェフは東京・九段のホテルグランドパレスで長年総料理長を務めていた実力者。定年退職後のセカンドキャリアとして独立開業を果たしたが、店を切り盛りするのは杉野シェフと奥さまの2人だけ。少しでも負荷を下げて、長く続けられるオペレーションにしようという工夫も込められている。

サラダを食べた後に登場したステーキは脂肪分が少なく軟らかい赤身肉として名高い牛ヒレ肉を使用。ヘルシーな食事の考え方がここにも反映されている、シニアにも優しい肉メニューなのだ。

●店舗情報
「シェ・スギノ」
所在地=千葉県市川市南八幡3-8-13 シャトーデザールクボタ104

◇外食レストラン新聞の2019年1月7日号の記事を転載しました。