白菜は霜がおりる頃の晩秋から冬にかけてが旬。甘みが増しておいしくなります。糖度が上がると凍りにくくなることから、寒さが厳しくなると凍らないように糖度を上げて身を守るのだそう。今の時期は比較的安価で購入できるので、まるごと1個購入し、外葉、内葉、芯など部位ごとの食感や味わいを活かした料理を楽しみましょう。今回は甘みの乗った旬の白菜を大量に購入した時に役立つ、使い切りレシピをご紹介します。

白菜の芯を使ったしょうゆ煮

白菜の9割は水分!と聞くと栄養がないように聞こえますが、残りの1割にはビタミンやミネラルがたくさん詰まっています。この白菜の水分を利用した炒め煮をご紹介します。白菜の芯は繊維に沿って切ることで柔らかく甘みが出ます。

<材料>
白菜の芯 1/2個分
豚バラ肉 100g
しょうゆ 大さじ2
生姜のしぼり汁 大さじ1
片栗粉 大さじ2

<作り方>

1.白菜の芯の部分を幅1cm、長さ3cmに切りそろえる。

2.ビニール袋に片栗粉と(1)の白菜を入れ混ぜ合わせる。

3.ひと口大に切った豚バラ肉をフライパンに敷き詰める。

その上に(2)をのせ、フライパンの蓋をして弱火で3分加熱する。

4.一度全体をかき混ぜ、さらに3分弱火で加熱したら、しょうゆを回しかけフライパンの蓋をして5分加熱し蒸し煮する。

5.火を止め、生姜のしぼり汁を加え混ぜ合わせたら完成。

白菜の葉と金柑のサラダ

鍋や炒め物のイメージが強い白菜ですが、実は加熱せず生のままで食べてもおいしいのでサラダがおすすめです。すし酢を使ってつくる自家製ドレッシングのやさしい酸味と金柑の爽やかな香りで、柔らかな葉の部分がたっぷりいただけます。外葉は繊維が太いので小さめにちぎると全体の食感のバランスがよくなります。

<材料>
白菜の葉 1/2個分
金柑 4個

ドレッシング
◆すし酢 50cc
◆オリーブオイル 100cc
◆塩 小さじ1/2
◆コショウ 少々

<作り方>

1.白菜の葉は食べやすい大きさに手でちぎる。

2.金柑はくし形に6~8等分し、種を取り除く。

3.ボウルに◆の材料を入れよく混ぜ合わせドレッシングを作る。

4.器に(1)と(2)を盛り付け、食べる直前に(3)のドレッシングをかけたら完成。

お好みのハーブなどを散らしてもOK!

調味不要の扁炉(ピェンロー)鍋

舞台芸術家の妹尾河童さんがエッセーの中で紹介したことがきっかけで注目を浴びた扁炉(ピェンロー)鍋。白菜・鶏肉・豚肉・春雨を干し椎茸のだし汁で煮た、中国の鍋料理です。加える調味料はごま油のみといたってシンプル。

取り分けて食べる時に、それぞれが塩と一味唐辛子で調味します。一度に大量の白菜が消費でき、調味いらずで煮込むだけの簡単鍋。我が家では昆布の出汁もプラスして、白菜がおいしい季節には何度もリピートして作っています。

<材料>4人分
干し椎茸 8個
昆布 5cm
白菜 1個
鶏もも肉 1枚
豚バラ肉 300g
春雨 60g(パッケージの表記通りに戻しておく)
ごま油 お玉1杯分

<作り方>

1.1500ccの水にしいたけと昆布を入れて戻す(前の晩から準備しておくとよい)戻し汁は捨てずにとっておく。

2.白菜は芯の部分は繊維に垂直に包丁を入れ1cmの細切りに、葉の部分は食べやすい大きさのざく切りにして、芯と葉に分けておく。

3.戻したしいたけ、鶏肉、豚肉はひと口大に切る。

4.鍋に白菜の芯としいたけ、鶏肉を入れ、(1)の戻し汁を具材がかぶる程度加えたら中火で15分煮る。

5.ごま油の半量、豚肉、白菜の葉の順に加え蓋をして10分煮る。

6.葉がしんなりしたら残りのごま油と春雨を加え数分煮れば完成。器に取り分けたら各自で味付けを。

丸ごと1個でもキッチンが散らからない白菜の切り分け方

1.外側の傷んだ葉を取り除く。
2.株の根元を切り落とす。
3.根元から縦に包丁を入れる。

4.切り込みに親指を入れ、縦に開き割る。

4つに分けたいときは手順3で十字に切り込みを入れ、開き割る。

この方法は大量調理の現場で実践されている方法で、とにかくスピーディで簡単! 切った後に葉がバラバラと散らかることがありません。また、葉に包丁を入れていないので傷みにくいのも利点です。