熱中症対策で、塩やレモンが活躍する夏。でもレモンの旬が本当はいつかご存知ですか。国内栽培の場合シーズンは10~3月、冬に収穫するフルーツなんですね。真夏はオフシーズンなので、今の時期は外国産が出回ります。
「じゃあ、8月が冬の国で収穫されたのかな」と思ったアナタは鋭い! 現在、南半球は真冬・・・つまり日本と真逆の「チリ」で今、レモンが最盛期を迎えているのです。
今回、チリ果物輸出協会主催の「チリ産レモン クッキングショー」で、「チリ産レモン」を使った新しい食べ方を教えて頂いたので、ご紹介したいと思います!

国産レモンとは真逆の時期に旬を迎える「チリ産レモン」

出迎えてくれたのは、旬を迎えたピカピカのチリ産レモン&オレンジ

南半球のチリは今、冬を迎えています。「The longest country in the world」というだけあり、チリ国内でも南北で気温差はかなりありますが、ともかく日本とは季節が真逆。ということは、フルーツの生産時期も真逆ということ!

その一例が、真夏の熱中症対策でも活躍中のレモン。実はレモンは冬の果物。なので、国産の代わりに外国産・・・チリで旬を迎えたレモンが日本では売られているのです。(なんとこの時期、レモン輸入量の74%がチリ産!)

チリは、南半球最大のフレッシュフルーツ輸出国。世界中で愛されているチリ産レモンのおいしさについて教えて下さったのは、このお二人でした。

写真左はアンダーズ東京・大川渉副総料理長、右は55Gourmet・リカルド ア.ゴンザレス サンチバニエス代表。両シェフが、アイデアたっぷりのチリ産レモンの使い方を披露して下さいました。

レモンをお椀代わりに使っちゃう!(蓋付き♪)

「ムール貝のワイン蒸し チリ産レモンを使ったサルサヴェルデ添え」

レモンの中身をくりぬいて、中にお料理を入れてしまいました! まるで、お椀のよう・・・このアイデア、頂きです! おもてなしの時など、こんなお料理が出てきたらお客様もビックリ間違いなしですね♪

チリ産レモンは、中型サイズ皮が薄く、果汁をたっぷり含んでいることが大きな特徴。もちろんくり抜いた中身もちゃんと使います。

写真のサルサヴェルデとは、緑色のソースという意味で、レモン果汁、みじん切りにしたタマネギ・ニンニク・コリアンダー・パセリ、オリーブオイルを混ぜたものです。爽やかな味わいが、パスタにもチップスでもなんでも合いますよ。

輪切りレモンとお肉をミルフィーユ★レモン果肉もパクッと!

「国産牛ハラミ肉のステーキ チリ産レモンのグレイビーソース」

「輪切りのレモンなんて、すっぱそう~食べにくそう~」

見た瞬間は恐怖におののきましたが、実はここでもチリ産レモンの良い部分が生かされています。

チリ産レモンはあまり酸味が強すぎないんです。なので、果汁も果肉もしっかり楽しめます。お肉の旨味とレモンのサッパリした風味が絶妙!ご自宅でもお肉を焼いて食べる時は、ぜひ輪切りのチリ産レモンと一緒に食べてみて下さいね。

もう一度、上の写真をじっくり見て下さい!

何か気がつきましたか?

「タネがない!?」

そう、チリ産レモンはタネが少ないので非常に調理しやすいんです。タネが少ないと、そのままでも食べやすいですよね。生レモンサワー作る時、絞ってもタネが入らないので、居酒屋さんには好評なんだとか・・・?

レシピ紹介★レモンの皮もふんだんに使ったデザート

最後に、とても簡単な「チリ産レモンのパンナコッタ」の作り方をご紹介します! レモンの器は、デザートでも活躍!!

チリ産レモンのパンナコッタ ミント入りレモンジュレ添え

香りの良さも特徴のチリ産レモン。このレシピでは、レモンの爽やかさをより強調するために、ホワイトチョコを使用したところがポイントです。

下にはパンナコッタを、上にはジュレを入れて、異なる食感とレモンの風味を楽しみます。ただし二層にするため、作る際はパンナコッタがある程度固まってからレモンジュレを作って下さいね。

<チリ産レモンのパンナコッタ>
【材料】
生クリーム38%:200cc
牛乳:250cc
チリ産レモンの皮:1/2個分
ホワイトチョコ:80g
板ゼラチン:5g ※水で戻しておく
グランマニエ:5g
グラニュー糖:15g

【作り方】

  1. ホワイトチョコをボウルで湯せんにかけ溶かす
  2. レモンの皮を細かく切っておく
  3. 鍋に生クリーム、牛乳、グラニュー糖、レモンの皮を入れ、絶対に沸騰しないように加熱する
  4. (3)の鍋にゼラチンを加え、氷水などで粗熱を取り、最後にグランマニエを加える
  5. 中身をくり抜いた「レモンのカップ」に入れて冷蔵庫で冷やす

<ミント入りレモンジュレ>

【材料】
チリ産レモン果汁:80cc
水:160cc
蜂蜜:150g
板ゼラチン:10g ※水で戻しておく
ミント:適量

【作り方】

  1. 鍋にレモン果汁、水、蜂蜜を入れ、一旦沸騰させてからゼラチンを加える
  2. ボウルにあけ、氷水などで粗熱を取る
  3. (2)のボウルに細かく刻んだミントを加え、先にレモンの容器の下側に入れたパンナコッタの上に注いで、冷蔵庫で冷やす

チリは、美しい色、風味、硬度、香り・・・など質の高い柑橘類を生産するのに理想的な地中海式気候なんだそうです。また柑橘類は、栄養学的にもビタミン類やミネラル、フラボノイドの供給源ともいえます。

酷暑の「日本の夏2018」を、旬を迎えたチリ産レモンを活用して乗りきってみてはいかがでしょうか。