こんにちは。夏が大好き!管理栄養士の大山加奈惠です。先日、社会人向けの栄養講座を行いました。テーマは、「夏バテ」。講座のコーディネーターの女性がここ数年夏バテになりツライので、今年は今から予防をしたいと依頼があったのです。
彼女は食べることが大好きなのに食べることが面倒、食べたいものが思いつかない、でもお腹がすくので、何かしら口に入れるという生活が続いてしまうということ。食べるのが好きなのに、ツライなんて。今年こそは、夏を楽しく過ごして欲しいという想いで、お話をさせてもらいました。今回はその内容とレシピをご紹介します。

まずは夏バテチェック!侮るな、夏バテは軽い熱中症

夏の暑い時期には食欲が落ちる、しっかり眠れない、なんとなく身体がだるい。まあ、夏だからしょうがないかと思っていませんか。それは夏バテの症状です。放っておくと、抜け出せない負のスパイラルにはまってしまいます。

まずは夏バテチェックをしてみましょう。

夏バテ チェックシート

  • 夏はどうしても食事をつくるのが面倒になる(Yes 1点)
  • このところ、同じようなものを繰り返し食べている(Yes 2点)
  • 食事はあっさりしたものやのどごしのよいものばかり食べている(Yes 3点)
  • 暑いので、つい火を使わない料理が多くなる(Yes 1点)
  • 夏になってから、どうも食がすすまない(Yes 2点)
  • のどが乾くので、ジュースや炭酸飲料などを1日1リットルくらいは飲んでしまう(Yes 3点)
  • 食欲がないときの食事はすいかやアイスクリームなどですませることがある(Yes 3点)
  • 夏バテ防止に焼肉、うなぎのかば焼き、豚カツなどをよく食べる(Yes 2点)
  • 日中は暑いので動く気がせず、家でダラダラと過ごしている(Yes 2点)
  • 汗をかかないように、水分はできるだけ控えている(Yes 2点)
  • 暑さに弱いので、部屋はクーラーをガンガンにきかせている(Yes 1点)
  • 寝苦しいせいか、寝不足の日が続いている(Yes 2点)
  • 夜遅くまで、テレビを見たり、ビデオ鑑賞や読書を楽しんでいる(Yes 2点)
  • 昼食を抜いて、少し涼しくなる夜にまとめて食べるときが多い(Yes 3点)
  • 夏の晩は、仕事帰りについビアガーデンに立ち寄ることが多い(Yes 2点)
    (出典元:NHK出版「きょうの健康」テキスト)

<あなたの夏バテレベル>
22~31点:完全に夏バテです
自分でも夏バテと自覚しているのではないでしょうか?  食生活や生活習慣を見直して、夏バテを脱却しましょう。

8~21点:夏バテに要注意! 夏バテ予備軍
疲れが蓄積することで今後夏バテに移行するおそれあり。対策が必要です。

0~7点:夏バテの可能性なし
いまのところ夏バテの可能性はありません。ただし、暑い時期が続くと、誰しも夏バテの可能性があります。今のコンディションを保つよう気を付けましょう。

みなさん、いかがでしたか?夏バテと自覚していなかった人もいたのでは。

夏バテの原因は、夏の暑さで体温調節が難しくなることです。身体に熱がたまりやすくなり、体温を下げられなくなり、身体が熱中症の一歩手前の状態になっているのです。

クーラーががんがん効いた室内と、外に出た時の暑さの温度差で自律神経が乱れているのも理由の一つ。自分が夏バテだと自覚して、今日から食事で夏バテ予防を始めましょう。

夏バテによい組み合わせは、糖質にプラスたんぱく質、ビタミンB1、アリシン

夏の暑さで食欲がなくなると、冷たくてつるっと食べられるそうめんやそばだけで終わらせることが多くなりませんか? 冷たいジュースをがぶがぶ飲んでしまうこともありますよね。実はそれが夏バテを促進しているのです。

そうめんやジュースには糖質が含まれていますが、ビタミン、タンパク質などそれ以外の栄養素はほとんど入っていません。ビタミン、たんぱく質が足りないと、身体でエネルギーが作られず、だるくなったり、疲れやすくなるのです。

夏バテ予防の組み合わせは、糖質にプラスたんぱく質、ビタミンB1、アリシン。

ビタミンB1は糖質をスムーズにエネルギーに変える手助けをしてくれ、アリシンはビタミンB1の働きをよくする効果があります。糖質と一緒に食べることで、身体の中でしっかりエネルギーが作られるということです。

それぞれの栄養の働きと多く含む食材はこちら。夏バテにおすすめ栄養素です。

たんぱく質

  • たんぱく質は、体(血液、筋肉)を作るもとで、不足すると、疲れやすくなる。
  • 体に蓄えられないので、毎食食べる必要がある。

<多く含まれる食材>
肉、魚、シーフード類、牛乳、乳製品、大豆製品(豆腐、納豆、高野豆腐など)、卵

ビタミンB1

  • 摂取した糖質をエネルギーに変えるために必須。
  • エネルギーが作られないと、体がだるく疲れやすい。
  • 消化酵素の分泌を促進する。
  • 乳酸(疲労物質)の代謝を促進して、疲労回復に効果があると言われている。
  • 夏は糖分が多くなりがちなので、多めに必要。

<多く含まれる食材>
玄米(米の胚芽)、大麦、肉や魚の血合い部分、豚肉、うなぎ、豆類、ナッツ類、柑橘系

アリシン

  • ビタミンB1と結合して、糖質をエネルギーに変える。
  • 消化液の分泌を促進させて、胃腸の働きを活発にし、食欲を増進する。
  • 夏バテ防止にスパイスで使おう。

<多く含まれる食材>
玄米(米の胚芽)、大麦、肉や魚の血合い部分、ニラ、玉ねぎ、にんにく

【夏バテ予防レシピ:夏の最強スタミナ丼】糖質プラスたんぱく質、ビタミンB1、アリシンたっぷり

豚肉、玉ねぎ、にんにくで、暑い夏を乗り切りましょう!

夏に食べたい最強の組み合わせの、栄養たっぷりの丼。豚肉は夏に食べて欲しい食材のベスト1です。作り方も簡単なので是非作ってみてくださいね。

(材料)2人分
・ニラ 1/2束
・タマネギ 1/2個
・ニンジン 1/2 本
・豚バラ肉(博多すぃ〜とん) 100g
・ショウガ 1/2かけ
・ニンニク 1/2かけ
・サラダ油 小さじ1/2
・ウスターソース 大さじ1/2
・カレー粉 小さじ1
・塩・こしょう 少々
・ヤマイモ 10cm
・オクラ 4本
・めんつゆ 大さじ2
・ごはん お茶碗2杯

(作り方)

  1. フライパンにサラダ油を熱し、みじん切りにしたニンニク、ショウガを入れる。短冊切りのニンジン、薄切りのタマネギ、4cmほどに切りそろえた豚肉、ニラの順に入れ火を通す。ウスターソースとカレー粉を入れ、塩・コショウ味を整える。
  2. 皮をむいたヤマイモをビニール袋に入れ、かたまりが残る程度まで麺棒でたたく。
  3. ごはんの上に(1)と(2)、刻んだオクラを盛り付け、好みでめんつゆをかける。かき混ぜてどうぞ♪

【夏バテ予防レシピ:納豆アボカドそうめん】ネバネバ食材には疲労回復効果あり!

そうめんにネバネバ食材をトッピング!野菜も一緒に食べましょう

ネバネバ食材にも夏バテにおすすめの効果があります。胃の粘膜を保護して、消化を促進したり、たんぱく質の消化・吸収を高めてくれます。

そうめんに納豆、モロヘイヤをトッピングするだけの簡単レシピ。夏が旬のアボカドにはビタミンB群、ビタミンC、カリウムがたっぷり含まれていますよ。

(材料)2人分
モロヘイヤ 50g
アボカド 1個
納豆 2パック
そうめん 2わ
刻みのり 適量
めんつゆ2倍濃縮 大さじ2
わさび お好みで

(作り方)

  1. モロヘイヤは軽く下茹でして、5mm長さに切る。アボカドは縦に包丁を入れてぐるりと一周回して、半分にする。種を取り、格子状に切り込みを入れてからスプーンで身を取り出す。アボカドは薄切りにする。
  2. ボウルに納豆を入れて、よく混ぜる。
  3. 器にそうめんをよそい、モロヘイヤ、アボカド、(2)をのせる。全体にめんつゆをかけて、最後に刻みのりを散らし、わさびをお好みで添える。