湿度も気温も高く、少し動けばジメっとした汗が出てくるこの季節。飲料メーカーが夏に向けてこぞって新商品を投入している時期でもありますが、今年はどのメーカーも「透明色」にご執心!
お馴染みのドリンクも、見た目が透明になると急にフシギな飲み物に生まれ変わる。そんな透明ドリンクがいま、売場スペースを席巻しています。そしてついにコーラやビールまでもが透明に…!

看板商品コーラまで透明に!しっかり炭酸

日本コカ・コーラ社は、2009年より天然水「い・ろ・は・す」を発売。これに続き、レモン、みかん…とじわじわと展開してきたのが同ブランドのフレーバーウォーターシリーズ。

ちゃんとフルーツの味がするのに、透明で、甘くて…と不思議な感覚。思えば他社より早めに透明ドリンクシリーズに力を入れていたのかもしれません。

そして2018年6月11日に発売したのが、看板商品のコーラを透明にした「コカ・コーラ クリア」!
実際に飲んでみましたが、確かにコーラ。コーラなのに透明。水みたいに見えるので油断しますが、炭酸強め。爽快感を味わいたい方におすすめです。

透明でもコーヒーの感じとミルクのまろやかな香り

アサヒ飲料は、人気の炭酸飲料「三ツ矢サイダー」ブランドより、りんご・パイン・グレープフルーツなどのフルーツフレーバーを発売していますが、こちらも透明のものが多いです。

特に、強炭酸の「エクストラリフレッシュ」シリーズは、見た目からもすっきり感を表現されているのか、透明色になっています。

そして、「アサヒクリアラテ fromおいしい水」が2018年5月8日に新発売。カフェインや脂肪分「ゼロ」ということで、香料のみでエスプレッソラテを表現したのかと思いきや、原材料にはちゃんと「コーヒー」の文字や、“乳成分を含みます” の表示も。

口に含むと、コーヒーの感じとミルクのまろやかな香りを感じますが、最後は水のような不思議なすっきり感です。

透明なノンアルビール!仕事中でも飲めちゃう

サントリー食品インターナショナルからは、「サントリー天然水」ブランドからヨーグルトの味がする透明な「ヨーグリーナ」が登場。こちらは香りよりも味がしっかりしている印象。ブルーベリーヨーグリーナも発売し、SNSで話題になるなど好調です。

チーズやヨーグルトを作るときにできる液体で、栄養分が高いとされる「ホエイ(乳清)」が使用されており、健康志向の人にも支持されているようです。

そんな透明ドリンクのヒット商品に加え、2018年6月19日にサントリー食品インターナショナルが発売したのがノンアルコールビールテイスト飲料「オールフリー オールタイム」。

ビールといえば缶や瓶に入っているのが一般的で、色は綺麗な黄金色!そんなイメージを全部覆したのがオールフリーオールタイム。

“オトナ瞬間リフレッシュ” がテーマとなっているためか、飲用シーンは、会議中やランチタイム、スポーツの後など、“ビールを飲む時間帯じゃない時”を提案。

ペットボトルのフタをあけるとノンアルコールビールの、あの香り・味でちょっとした苦味もある。アルコール分が含まれていないとはいえ、これまでは仕事中のオフィスでは飲みづらかったノンアルコールビールですが、透明ならラベルを剥がしてしまえばワカラナイかも?!

世代やシーンを選ばずに飲めるのが嬉しい

透明ドリンクはかなり幅広く登場しており、それぞれ種類やコンセプト・ターゲットは異なるため、人気の理由は一様ではないかもしれませんが、ウケている理由としてネット上では以下のような声があがっています。

・仕事中にお茶・水・コーヒー以外は飲みにくい
・飲むのがジュースだと子供っぽく思われる
・色付きの飲み物は歯の色素沈着が気になる

確かに水を飲んでいるように見える

これに加え、透明な飲み物はカロリーや糖質をオフしているものが多く、ヘルシー志向の人にも選ばれているようです。

今やドリンク陳列棚は透明な飲み物であふれ、水なのか清涼飲料水なのかわからなくなるほど…。しかし、何でもかんでも透明になってしまうのも考えものだと筆者は個人的に感じます。

これは筆者の海外での体験談ですが、甘い飲み物にあふれた海外でミネラルウォーターを求めてコンビニに入り、英語表記でわかりにくい中 やっと見つけた…!という思いで手に取った商品が、甘いフレーバーウォーターで泣きそうになった…という経験があります(笑)

そういった視点から考えると、海外からの旅行者やお年寄りなどにも分かりやすいように、売場では水なのかジュースなのか誤解しないように売り出してほしい…と願うばかりです。