広島県東広島市在住のたべぷろ編集部員の椛山瑛です。チョコレートの新トレンドとして話題のビーントゥバーチョコレート。専門店ができるなど、注目を集めています。そして広島には、世界初のチョコづくり専用石臼の「ショコラミル」という商品があります。カカオ豆を石臼で挽くことで、個性を生かしたチョコレートが味わえるのだとか。東広島のものづくり逸品認定もうけている、ショコラミルで作るチョコレート作りを体験しました。

業界で注目のビーントゥバーチョコとは

そもそもビーントゥバーチョコレートとは? まずはここから知りたいですね。英語で書くと「bean to bar」。カカオ豆(bean)から板チョコ(bar)になるまでの全工程を、1つの工房で一貫して手掛けるスタイル。産地や品種が違うカカオ豆本来の味や香りを楽しめると、チョコレート業界の「サードウェーブ」として注目されています。

チョコレートの原料はカカオ豆。カカオ農園で採れたカカオの実を発酵させてカカオ豆を取り出します。取り出したカカオ豆を乾燥させたものが、日本に輸入され、ロースト、摩砕、融解、固化されてチョコレートが完成します。

チョコレート作りの始まりは、ローストした豆の皮と中心部にある芯をとり除くことから。皮や芯が残っていると、雑味が加わってしまうのだとか。特に芯の取り除きは手作業でしかできないそう。芯は取り除かれないことも多いようですが、ここはしっかりと手間をかけたいものですね。

皮と芯を取り除いたのがカカオニブ。カカオニブは抗酸化作用が高く、ダイエットや美肌効果も期待されるスーパーフードとしても人気です。

カカオニブをすり潰したのが、チョコレートの原料として使用されるカカオマスです。このまま食べればカカオ成分100%で、心地よい苦味とカカオの風味が味わえますよ。

ショコラミルを体験してみよう

古代より人々に愛されてきたチョコレート。その昔は石の板と棒を使いカカオ豆をすり潰して、チョコレートを作っていました。

このスタイルに近いチョコレートを楽しみたいと開発されたのが、「ショコラミル」。世界初のカカオ豆石挽チョコレート作り専用の石臼です。チョコレート研究の第一人者である広島大学名誉教授の佐藤清隆先生が考案し、地元の石材店とともに試行錯誤の末に誕生しました。

体験会では産地の違うカカオ豆が4種類準備されていた

こちらがチョコレート専用の石臼「ショコラミル」です。石臼の上部にカカオニブをセットし、少量ずつ石臼に投入しながら木製のハンドルを回します。しばらく回していると下部からすり潰されたチョコレートが流れでてくる仕組みです。チョコレートが融けでてくるように、石臼は外側から温風をあて、温めて使います(写真の白い箱状が温風機)。

摩砕されたカカオ豆がうっすらととけだす
しばらく回し続けると、どんどんとけだしてくる
このままマシュマロやビスケットをつけて召し上がれ

世界で一つ、自分だけのチョコレートを作ろう

カカオ豆を機械で摩砕するのとは違い、ショコラミルでは少しツブツブと荒擦りした感じが残るチョコレートが味わえます。ショコラミルを使う時は、石臼を穏やかに回すのがコツ。丁寧に回すのと、勢いをつけて素早く回したのでは、チョコレートの艶や滑らかさに差がでてきてしまいます。

まずはカカオ100%の味を堪能しましょう。そのまま食べると苦味と豆の風味がダイレクトにわかります。苦味があるのですが、後味が爽やかで癖になる味。マシュマロやビスケット、ドライフルーツにつけるとほどよい甘みがつくので、子どもでも喜んで食べられるようになります。

100%に慣れてきたら、チョコにシロップとコーヒーフレッシュを入れて生チョコのでき上がり。フレッシュを多めに入れるとよりマイルドに、甘さも好みで調整できます。

自分の好きな豆を選び、チョコレートを型に流したあとナッツ類やカカオニブを盛り付けると、世界でただ一つのチョコレートのでき上がり。

薄く花びらの形にしたチョコを組合せたチョコレートの花づくりも

いかがでしたか? 世界初のチョコレート専用石臼のショコラミルをご紹介しました。ショコラミルで作るチョコレートは、店舗で販売されているビーントゥバーチョコレートに比べて、よりワイルドにカカオ豆本来の風味や味が楽しめるのが最大の魅力です。ぜひ皆さんも体験してみて下さいね。