焼く前の高級肉からスモークが…「ドラデコ」で繁盛店に
昨今の外食メニューを見渡すと、新しい食材や調味よりも「ユニークな盛り付け」がトレンドをリード。客のスマホ撮影とSNSアップを意識したメニュー開発が増えている。その先駆でもある焼肉店の「ドライアイスデコレーション」(以下:ドラデコ)が、にわかに注目されている。ドラデコとは、食器にドライアイスを仕掛け、注水スモークで高級感とシズル感を演出する焼肉の提供方法である。実践している繁盛店を取材した。
水スモークで高級感とシズル感を演出
福岡県飯塚市の「焼肉のMr.青木」(24卓・180席)は、ホルモンの卸売りと小売りも手掛ける、和牛専門の高級焼肉店。青木繁道店主(34歳)自ら食肉処理場に毎日通い、鮮度抜群の原体を仕入れるだけに、当日の「おまかせ」には絶対の自信を持っている。その「おまかせ」をアピールするために2012年からドラデコを始めたという。
青木店主は「肉も魚と同じ。鮮度や状態によって日々お薦めの部位が変わります。まずは自分が見極めた当日最高の肉を味わってほしい」と語り、「その思いを込めてドラデコ演出は原則『おまかせ』に限っています」と説く。
「おまかせ」で通じる看板メニューに定着
おまかせには、特にメニュー名があるわけではなく、1人前・約5部位×2枚で2500~3000円で提供される。おまかせのドラデコを見た周囲の客が「こっちもアレください」という連鎖が広がり、「おまかせ」で通じる看板メニューに定着したという。
そして、青木店主の持論は「基本と創造の融合」だ。品質を追求しながら常にサプライズを考えており、洋皿の活用、立体的な盛り付け、金粉のトッピングなど、従来の焼肉にない演出を日々実践している。
創業者は元広島カープの捕手
父親で創業者の勝男氏は元広島カープの捕手として地元では有名。繁道店主も捕手でプロを目指したが大学3年時に故障で断念。家業の継承を決意後、野球で培った根性をもとに20数店舗の有名焼肉店で修業。最後1年間勤めた「叙々苑」の理念に感動し、帰郷後の2008年に現在の大型店を立ち上げた。
ここ数年、全国から多くの同業者が見学に来るほど注目されているが、「あくまで地元第一。事業拡大より内容充実」という信念を貫く考えだ。
●店舗情報
所在地=福岡県飯塚市鶴三緒一本木1117-1
おまかせ 2,500~3,000円(1人前)
◇日食外食レストラン新聞の2017年3月6日号の記事を転載しました。
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