長崎県五島市でサツマイモの生産・加工・販売を手掛けるアグリ・コーポレーションは、ベビー用の完全無添加干し芋「おしゃぶー」を進化させ、ペット用の干し芋を新たに発売した。国産安納芋を使用した「おしゃぶー」を原料に、人間も喫食可能なグレインフリー(穀物不使用)商品として仕上げており、ペットフード市場へ新風を吹き込むことを目指す。

佐藤義貴社長は、「『おしゃぶー』の未利用部分を活用することで歩留まりも向上。無添加かつ国産のペットフードとして付加価値を訴求していく」と語る。原料となる安納芋と紫芋は完全無添加の有機JAS栽培で栄養価も高い。

同社は2011年に農業生産法人として設立し、以来サツマイモの育苗から加工・販売までを一気通貫で行う6次産業化を実現してきた。「おしゃぶー」は生後6ヵ月から1歳6ヵ月の乳幼児が「歯がため」として、離乳食感覚で食べられる干し芋。

固く仕上げた干し芋をかむことで顎の発達が促進され、口に入れておくと唾液が増えるため、風邪や虫歯の予防にもなる。今年度はすでに15万袋を売り上げた。

ペットフード協会の調べによると、2016年度の国内ペットフード産業の出荷総額は2856億700万円で、過去最高値を更新した。市場のトレンドとして、ペットの健康や美容に対する意識の高まりや高齢化などで、栄養価の高い商品が求められる傾向にある。

◇日本食糧新聞の2018年3月7日号の記事を転載しました。