「ラムネ」と聞けば、口元がくびれたガラス瓶と、封入されたガラス球(ビー玉)を思い浮かべ懐かしむ人も多いだろう。
日本の夏を代表する飲料として親しまれてきたラムネだが、1953年に全国で約2300社あったメーカーは、現在100社まで激減。市場は上位10社がシェアの9割を占める。このような厳しい環境下で、独自の商品を開発し続けるのが、静岡県島田市に本社を構える木村飲料だ。

もともとは焼酎割りサワーが売上げの7割を占めていたが、大手酒類メーカーが続々とチューハイを市場投入したことを機に事業転換。そこから本格的にラムネやサイダーの製造に軸足を置くこととなった。

静岡県内のコンビニエンスストア(CVS)や高速道路のSA・PAの売場でおなじみの「富士山サイダー」、受験生から絶大な人気を誇る「必勝合格だるまサイダー」など開発商品は100種を数える。

木村英文社長

中でも「カレーラムネ」は、幼いころから毎週欠かさずカレーライスを食べる木村英文社長の熱い思いがこもった商品だ。社内の反対を押し切り発売すると、SNSで大きな話題となり、雑貨店など新たな販路を開拓した。

「日本各地の食材を生かしたラムネ・サイダーを世界へ輸出したい」と話す木村社長は現在、全国ラムネ協会の会長を務め、業界のさらなる発展を願っている。日本のラムネ・サイダーは、和食のように世界の食通の舌をうならせる日が来るかもしれない。

◇日本食糧新聞の2017年4月17日号の記事を転載しました。