フランス北西部ノルマンディー地方在住のトラベルコーディネーター小川裕子です。パリでは異例の大雪に見舞われ、いつもは観光客で賑わっているエッフェル塔も閉鎖したり、渋滞が起きたりと大変だったようですね。こちら南ノルマンディーでも雪は降ったものの積もりませんでした。
さて今回はバレンタインにちなんで、ノルマンディー産のハート型チーズをご紹介いたします。

ノルマンディー地方の最も古いチーズの一つ

パリから北西に150キロほどの距離にあるノルマンディーのNeufchâtel-en-Bray (ヌフシャテルル・オン・ブレ) 地区で作られているこちらのチーズは、カマンベールと同じような白カビタイプのチーズです。

ハートのチーズ

Neufchâtel(ヌフシャテル)のチーズは、こちらのハート型(cœur ) 200gの他にも 大きなハート型(grand coeur)600g 、樽栓型 (bonde)が100gと200g、正方形 100g(carré) 、 長方形(briquette)の6種類あり、AOP - Appellation d’Origine. Protégée( 原産地名称保護制度) にも認定されております。その中でも一番人気はやはりこのハート型のようです。

ハート型チーズの中身

ハート型の由来は?

この可愛らしい形のチーズはどのようにして誕生したのでしょうか? 1337年から勃発した英仏の100年戦争で、ノルマン女性が恋したイギリス兵に愛の形を示すハート形のチーズを贈ったところから、このハート型チーズが誕生したというお話があります。

愛の国フランス、また乳製品の名産地ノルマンディーならではの素敵なストーリーです。

形が形だけに、どこから切ろうか一瞬ためらってしまいましたが、端から一切れ頂いてみました。 外側の方はクリーミーな味わい、そして中央のぼそぼそっとした感じの部分は塩気もあり、ひと切れで2つの美味しさが味わえました。カマンベールよりもちょっと癖のある感じです。

チーズの断面

チーズとジャムのハーモニー、赤ワインを添えて

先日、近所のノルマン人女性に現地での食べ方をうかがってきましたのでレシピと共にお伝えしますね。

普段はシンプルにパンとチーズの組み合わせでしか食べていなかったのですが、「くるみ入りパンにこのジャムを塗って食べてみて」 と頂いたシードルのジャム。可愛らしい小瓶に入ったりんごゼリーのようなプルンとしたジャムがこのチーズと絶妙に合うとのことで、試してみました。

シードルジャム

<手順>

  1. くるみ入りパンをトースターに入れ、温める程度に焼く。
  2. 焼きあがったらシードル(りんごジャム)を塗って、その上に薄くスライスしたチーズをのせる。
  3. 赤ワインと共にどうぞ。
クルミパンとジャム

甘いジャムが塩気のあるチーズの味を引き立たせてくれ、赤ワインとの相性もばっちりでした。生活習慣病の予防にもなると言われているクルミ。生のクルミをさらに付け合わせると食感も楽しめて美味しかったです。

バレンタインのおつまみにお試しくださいませ。