「セイコーマート」(通称:セコマ)は、1189店舗中1092店舗を北海道内に構えるローカルコンビニチェーン(2017年11月末現在)。道内で圧倒的な存在感と人気を誇る。その原動力となっているのが、「店内手作り調理」を掲げる惣菜・弁当売場「HOT CHEF」(ホットシェフ)だ。とりわけボリューム満点の「カツ丼」「豚丼」「フライドチキン」が顔役だ。

コンビニ店内手作り調理でホカホカ

「HOT CHEF」は「手作りはおいしい」を信念に誕生したセコマ店内の惣菜・弁当コーナー。外食店と同等の厨房機器を装備し、温かい弁当、丼物、おにぎり、揚げ物などを店内調理で提供している。

過疎地の外食店が減っていく中「町の食堂の温もりを守り続けたい」、離島や過疎地が非常事態の場合「何か作って提供したい」、そんな心意気を糧に現在約900店舗で営業中。イートインスペースを設けている店舗もある。

<カツ丼>「衣が剥がれにくい」ことで有名

中でも「カツ丼」は約20年間、不動の一番人気を誇り、道内で年間500万食以上も売れている、まさに“道民のソウルフード”だ。

味の決め手は、肉厚な食感と上品な肉質が自慢の豚カツ。それに、卵の白身と黄身を絶妙にほぐしたジューシー感と、道民好みといわれる濃口タレが加味され、まさに三位一体のカツ丼が完成する。

そして陰の立て役者が「衣付け」だ。実はセコマの豚カツは「衣が剥がれにくい」ことで有名。煮込んでも、時間が経っても、ハードに食べても、「豚肉・衣・丼タレ」の三重構造を堅持。カツ丼にありがちなバラバラ事件を心配することなく、最初から最後まで三位一体のおいしさを楽しめるのだ。

<豚丼>専用機器導入で熟練技を再現

「豚丼」(540円税込):専門店に匹敵する絶妙な焼き加減

次に人気なのが「豚丼」。早い話、豚肉を焼いて、タレに絡め、白飯にのせる料理なのだが、豚肉の持ち味を引き出す焼き加減が難しい。それを解決するために、各店に専用機器を導入。

表面は香ばしく、内部にうま味を凝縮させる、焼き加減を実現した。道内で年間300万食以上も売れる実績は、紛れもなく「本物の豚丼」として認められた証しだ。

<フライドチキン>コンビニとは思えぬこだわり

売れているのが「フライドチキン」だ。自慢は、鶏肉のジューシーな味わいと、無添加へのこだわり。生の鶏肉に粉を付けて店内で揚げるなど、普通のコンビニでは考えられない芸当である。

箱の蓋が閉まらないほどのボリュームも良し。「夕飯のおかずに買う」と言う地元客の習慣にもうなずける。まさにザンギ(鶏唐揚げ)の本場・北海道のコンビニが生み出した奇跡のフライドチキンといえる。

コンビニ満足度指数で6回1位

「セイコーマート」は札幌発祥のローカルコンビニチェーン。コンビニの店舗数と人口比密度で常に全国トップを争う北海道で約半数のシェアを持つ。市街地だけでなく「道民のためなら厳しい立地条件でも出店する」という、商売を超えた心意気で圧倒的な存在感を示している。

サービス産業生産性協議会が発表する「日本版顧客満足度指数(JCSI)」のコンビニ部門で2016年から2年連続1位。過去7回のうち6回1位を獲得している。

◆会社概要
社名:(株)セコマ
所在地:札幌市中央区南9条西5丁目パーク9・5ビル
※「セイコーマート」(1,189店舗/2017年11月末現在)

◇日食外食レストラン新聞の2018年1月1日号の記事を転載しました。